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好きとか嫌いとかよく分からない。
ジミン先輩のことは嫌いじゃない。
でも好きでもない。
ずっとそのままの筈だったのに。

どうも気持ちというものは、時々理性の管理を外れて動く習性があるらしい。
今もこうやって無意識にジミン先輩を探してしまっていることが何よりの証拠だった。

「あ、Aちゃん！」

『サラ先輩？』

今日はジミン先輩と一緒じゃないんですね、と口から出そうになったのを急いで飲み込む。
嫌味な女にはなりたくない。
それに本能的にサラ先輩は敵に回さない方がいい気がした。

「丁度良かった、一緒にご飯食べない？」

『え、私とですか？』

「うん。もっと仲良くなりたいし…。ダメ？」

正直行きたくないのが本音だけど、先輩からのお誘いは断らないのがセオリーだ。
生意気だと思われたらグループワークにだって支障が出るだろう。

『分かりました。私で良ければ…』

サラ先輩は「Aちゃんだから誘ったんだよー！」と上機嫌で近くのカフェに連れて来てくれた。

「何食べる？」

『あ、えっと…』

素早くメニューに目を通すと、この間食べ損ねたカルボナーラが目に止まった。
早く食べ終われるし、これにしよう。

『カルボナーラで。』

「じゃあ私もそれにしよっと。」

サラ先輩は意図も容易く私のメニューを真似して見せた。
私もそれにする。
そんな可愛らしい言葉遣いに少しだけ羨ましいと思ったりした。