ミケ・ザカリアスに愛される話 (ページ5)

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〜ミケ〜

違和感にはすぐ気付く

Aがいない

そう言えば昨日、留守にするとか言ってたな

俺に行先も告げずにどこに行った？

エルヴィンなら知っているかもと思い聞きに来たら、Aは調査兵団のための資金調達に出掛けたとか

それはつまり……そういうことだ

バカな貴族に身体を……

エルヴィン｢悪いなミケ。お前に言うと止められると思ってな｣

ミケ｢当たり前だ！！｣

Aは一部の貴族に人気がある

それが気に食わない

金を出せば団員を好きにできると思い上がってる連中だ

殺したって問題ないだろ

エルヴィン｢そんなに心配するな。Aは強いだろ｣

ミケ｢そういうことじゃない。大体だな。3日もAと会えないなんて気が狂いそうになる｣

エルヴィン｢そうか。八つ当たりしないよう制御してくれ｣

ミケ｢Aに何かあったら｣

エルヴィン｢ん？｣

ミケ｢その首をはねて憲兵団に差し出してやるからな｣

エルヴィン｢はは。冗談に聞こえんな｣

ミケ｢本気だからな｣

エルヴィン｢なぁミケ。前から言おうと思ってたんだが、少しはA離れしたらどうた？｣

ミケ｢その間に悪い虫がついたらどうしてくれる｣

エルヴィン｢それこそ心配するだけ無駄だ。Aがミケのものであることは皆が知っている｣

ミケ｢それでも……。朝から邪魔したな｣

Aは誰にでも平等だ

その年入ってきた新兵には特に優しく接する

巨人(死)という恐怖に立ち向かわなければならないからだ

その度に思う

Aは俺のことを好きなのだろうかと

不安で不安で、それを隠すようにAを抱く

こうして無意識にAの部屋の前に来る俺は相当重症

いち兵士には与えられない個室

それほどまでに功績が讃えられているということ

入って少し匂いを嗅ぐだけならセーフのはず

ハンジ｢いや、アウトだからね？｣

ノブに手をかけると通りすがりのハンジがボソッと呟いた

ハンジ｢百歩譲ってドアの前で立ち止まるのは見逃すとして入るのは感心しないな｣

ミケ｢Aを補充するだけだ｣

ハンジ｢ミケってほんと変態だよね。私がいなくなっても入ったらダメだからね｣

ハンジがいなくなったのを確認して部屋に入った

俺には小さすぎるベッドに倒れ込んだ

ミケ｢A。早く俺の元に帰ってきてくれ｣

愛しくて寂しくて、そこにいないAの幻に手を伸ばした

こんな情けない俺を慰めてもらいものだ