ミケ・ザカリアスに愛される話 (ページ34)

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〜A〜

襲ってくる巨人の攻撃を躱しつつ、巨人の動きを封じていると、うなじを削げと言葉が飛んできた

助かるにはそれしか方法はないけど、うなじを削ぐということは、つまり……

分かってる

私がミケの無事を願うように、ミケだって私の無事を願う

ミケは言った

人は戦うときをやめたとき初めて敗北する

戦い続ける限りはまだ負けてない、と

ありがとうミケ

貴方のおかけで私は人として生きられた

ミケ｢何をしている！A！！｣

刃をしまうと、私をつまんだ小型巨人はバカデカい口を開けた

最初からこうするべきだった

死ねば解放されるんだ

必ず訪れる“いつか”から

抵抗をやめた人間(私)は格好の餌食らしく、巨人が群がってくる

私が喰われてる間なら、ミケ達は安全なんだ

それなら……ほんの少しだけ長生きしようか

向こうにいる巨人も出来る限りこちらに引きつける

しまった刃を取り出し指を斬り落とした

｢おっとっと｣

巨人の肩に着地すると不安定すぎて落ちるとこだった

簡単に喰えると思った私が喰えなくて苛立った巨人の行動は読みやすい

立体機動には移らず、狙いやすい餌として巨人から巨人に飛び移る

動いてるから上手く走れないけど落ちる程じゃない

これだけ引き付けておけば壁に戻る時間は稼げたはず

ちょうど刃もなくなった

潮時だ

ミケのためなら死ぬことは怖くない

ゆっくりと落ちていくと、目の前の景色が一変した

超大型巨人が現れた

それだけじゃない。その超大型巨人が私を取り囲む巨人を踏み潰していく

地面に激突するスレスレでミケが私をキャッチしてくれた

団員｢団長！超大型巨人が逃走します！｣

団員2｢追いますか！？人類(5年前)の仇です！！｣

ハンジ｢何なんだあれは。Aを喰わずに巨人だけを殺した？奇行種……なのか？だから門を破壊した……？｣

エレン｢そんなこと今はどうでもいいでしょう！アイツを殺せないと！！｣

｢エレン。いいの。行かないで｣

頭に血が登ったエレンの袖を引っ張った

超大型巨人は森の中に逃げ込むと、その姿を忽然と消した

｢聡明なエルヴィン団長ともあろうお方が、勇敢な兵士が自ら犠牲になりにいったのに帰還しないなんて｣

エルヴィン｢惚れた女を見捨てて行けるほど、俺は強くなかった。それだけだ｣

エルヴィンが何を言っているのか、その言葉の意味は誰よりも早くミケが理解した