33 ページ33
〜A〜
目に焼き付けておこう
これが私の最後の壁外調査
他の誰を犠牲にしても私はミケを守りたい
例えその行動が褒められたものでなくても、非道だ何だと言われても、私の命よりも大事な人
どれぐらい走ったのか、突然の帰還命令
左翼側が壊滅的被害を受けた
エルヴィンはこれ以上進むのは無理だと判断
ミケがいるのは右翼側だから私の
｢ハンジさん。抜けます｣
ハンジ｢ミケに会いたくなった？｣
｢違います｣
ハンジ｢説得力に欠けるね。いいよ。行ってきな。どうせこの先で合流するまで待てないんだろ｣
辺りに木々があるものの、ほぼ平地
見通しはいい分、巨人の接近にいち早く気付ける
荷馬車には多くの遺体が乗せられていた
今までの私ならこれを見て、悔しさを噛み締めいた
でも、もういいんだ
ミケが無事なら、生きていてくれるなら、それでいい
エルヴィン｢A。すまないが後方を走ってくれるか。万が一、巨人が現れたら足止めを頼みたい。遺体はなるべく家族に返したいんだ。ん、A？｣
｢ミケは？｣
エルヴィン｢中央付近を頼む｣
ミケ｢分かった｣
｢私もそっち行く｣
ミケの袖を掴むと面白い程にマヌケ面を晒した
｢行こ。時間ないんでしょ｣
エルヴィン｢待てA。お前は後方だ｣
｢エルヴィン。私にはもう
エルヴィン｢A。お前は一体……｣
ミケ｢俺が後方に下がればいいんだな。分かった、それでいい。こんなとこで巨人と出くわしたら最悪だ。早く出発しよう｣
知らぬ間に数の減った列を後ろから見るのも、これで見納め
もしミケに調査兵団を辞めて欲しいと言えば、辞めてくれるだろうか
ミケ｢なぁA。その、何だ。遠征から戻ったら……｣
｢ミケにとって私は都合の良い女なの？そればっかり｣
ミケ｢そんなわけないだろ｣
｢良かった。私はミケが好きだから、それだけの女として見られるのは嫌だから｣
ミケ｢なっ///いや、うん｣
｢顔真っ赤｣
ミケ｢誰のせいだ｣
落馬しないよう慎重に隣りを並走して、向こうから腕を伸ばしてミケを掴もうとする巨人から守りたくて、怪我したら悪いなと思いつつ前に突き飛ばした
大人しく捕まってやるつもりもなく、立体機動に移ろうとしたけどタイミングを見誤り巨人の体当たりをまともに食らった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まゆ
| 作成日時：2021年8月12日 4時
