ミケ・ザカリアスに愛される話 (ページ29)

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〜エルヴィン〜

｢バーカバーカ。エルヴィンのバーカ｣

エルヴィン｢まだ怒ってるのか｣

告白まがいなことをしてからAから俺への態度が子供じめてきた

二人で内地に出掛けられて俺としてはかなり嬉しい

ちなみにミケはAに留守番を命じられていた

俺と二人きりになりたかったわけではないだろうが、実際に並んで歩けると勘違いしたくなる

エルヴィン｢そういうことか…｣

ミケを連れて来なかった理由がよく分かった

それを目の(まの)当たりにすると堪えるな

ミケへのプレゼントを買いに来ただけだった

おかしなことじゃない

二人は付き合っているわけで、これは当たり前の……ことで……

｢こっち…でもこれもいいな｣

エルヴィン｢そんなに悩むなら本人を連れて来て聞けば良かっただろ｣

｢それじゃサプライズになんないじゃん｣

エルヴィン｢お前はミケが好きなんだよな？｣

｢だから付き合ってるんだけど｣

その割に、態度に表れていないんだが

Aの性格から甘えるなんて想像はつかない

｢それで？お忙しい団長様は私に何の話しがあるの｣

エルヴィン｢話し？｣

｢違うならいいや｣

時折見せるその怪しい笑みは、心をザワつかせる

Aは何かを隠している

その何かを探してみろと挑発されている

｢ねぇエルヴィン。たまにはみんなに贅沢させてあげない？｣

エルヴィン｢肉なんて買う予算はないぞ｣

｢次の壁外調査はもうすぐでしょ。やる気出させないと｣

エルヴィン｢それならお前の一言で充分だろ？｣

どれぐらいの割合で好かれていると思っている

男女関係なくたらし込む魅了はあまり使わないでもらいたい

Aはあまりそのことを自覚していなく、｢何言ってんだコイツ｣と目が語っていた

エルヴィン｢それを買うのか｣

｢うん。ミケだけは死んで欲しくないから｣

長生きが出来ると噂されている邪魔にならないペンダントを選んだ

ここにはいないミケを見ては愛おしそうな目をする

ペンダントに短い口付けをしたAはプレゼント用のラッピングをしてもらい箱を受け取った

絶賛喧嘩中ならチャンスだと思ったんだが目の前でそんなことをされると、俺達には勝ち目がないと思わせられる

別れてさえくれればすぐにでもアプローチするんだがな

ミケがそう簡単にAと別れるはずもないか

エルヴィン｢買い物も終わったし帰るか？｣

｢そうたね。壁外調査の準備もあるし｣