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私達は初日から走り続け、残りも残す所明日の大千秋楽のみとなった。連絡先を交換した三浦くんも最初の頃に井阪くんと北乃くんを連れて来てくれたし、初代から3rdまでのテニミュ関係の人達なんかの人達も見にくれて初日から交友関係が爆発的に増えた。子役時代の知り合いも久しぶりにあったりなんかしてとても疲れたといえば疲れたの一言に尽きるが、ハイスピードで走り抜けたからかとても楽しかったし、改めて刀剣乱舞が、演劇が、歌が好きになれた気がする。
そして今日、舞台が終わり楽屋に帰ると手紙やらグッズやら化粧品がドレッサーを埋めつくしているのを見て微笑ましく思えた。皆それぞれの個性的な机になっているのだが今日は一昨日に比べると減っていて悲しく思う。もう今日の公演でこの部屋だけではなく通路、舞台、スタッフ、キャストとは暫くお別れになる。真剣乱舞祭という阿津賀志山のメンバーとのライブのようなものは既に決まっている。
「俺達はやるんだ!」
今日は最終日という事で近侍の長須賀虎徹、健介くんが気合を入れる。それにキャスト、スタッフの声が続き木霊する。憂鬱だった気持ちを切り替えて楽しもう、と鏡で十念に外見を直す。
「緊張する?」
「…しない方が可笑しいよ」
後ろからひょっこり出てきた勇輝くんに吃驚して返事をするといつも勇輝くんが使っている櫛で後ろ髪を梳かしてくれる。
「でもさ、やっぱり千秋楽は楽しんだ勝ちだよ。どの舞台でも最終日はカメラは入るし、なんならライブビューイングもあったりする。いきなりアドリブ入れる人もいるし2番目にハプニングが起きやすい日だと思う。」
切り替えた気持ちもダウンしていく言葉だけどどこか楽しそうに話すのを見ているとそんな気持ちになんかならなくて、経験の差を改めて感じる。
「1番思い出に残るのは初舞台の初日じゃなくて大千秋楽なんだよね。人がいっぱい居て、笑って泣いて、応援してくれてさ」
「うん……私も千秋楽が一番好きだった」
子役の頃に抜擢したミュージカルを思い出す。出演したのは1部目の30分にも満たなかったけどソロのあの曲は今でも口ずさむことがある。
「だからいつも通りにして全部出しきろう!」
肩を優しく叩いて勇気付けてくれる。
「ありがとう」
出された拳に軽く拳を当てて舞台に踏み出す。
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こゆき(プロフ) - printemps(プランタン)さん» コメントありがとうございます!ハリポタのネタ温めてるのがあるので形になるように頑張りますね! (2020年8月16日 1時) (レス) id: 60a14787da (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - ぁぁぁあぁ!えぇ話…グスン希望!ハリポタ! (2020年8月15日 20時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - けらしあさん» 良かったです。誤字すみません、私のミスです!ありがとうございます!!気が付きませんでした。 (2019年5月6日 23時) (レス) id: a8d6aed384 (このIDを非表示/違反報告)
けらしあ(プロフ) - こゆきさん» なるほど!わかりました。ありがとうございます!!最後に指摘(?)になるのですが、しゅんやさんのしゅんは俊ではなく峻ではないでしょうか?重ね重ねすみません。 (2019年5月6日 10時) (レス) id: 4b00fe55ba (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - けらしあさん» コメントありがとうございます、2016年ごろに遡っています。また質問等がありましたら気軽にコメントください! (2019年5月6日 1時) (レス) id: a8d6aed384 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こゆき | 作成日時:2019年4月20日 13時