その16！ ページ16
固まって身動きの取れない私のことなんてお構い無しに、チーノ君はお喋りを加速させて行く
「1年でインターハイ出場ってだけでも凄いのに、上級生を押し退けての2位ですよ！？」
凄いやろほんま！！と目の前で話しているはずのチーノ君
彼の声がどんどんと遠ざかっていくような気がした
私の脳内にあるのはあのインターハイ出場前後の記憶だ
思い出したくもない、私にとっては今も尚続いている悪夢のような、そんな記憶たち
照りつけるような日差し
滲み出るような汗
先生方の期待の眼差し
友人達の応援の声
そして何より記憶に残っていたのは、先輩方の罵倒
「１年生のくせに生意気」
「大した実力も無いくせになんでコイツが？」
「どうせ、顧問と寝たんでしょ？」
「あんたのせいで、私達の3年間全部台無しだよ」
「ありがとう。私らの努力、全部無駄にしてくれて」
私に投げつけられたそんな言葉達を思い出す
怒りに身を任せる人も居れば、静かに涙を流してこちらを睨みつける人も居た
そのどれもが、私の記憶に焼き付けられ、思い出す度に息が詰まり、体が硬直して動けなくなる
あのインターハイの日もそうだった
スタート位置に立つと
応援席で私にエールを送ってくれた顧問の後ろには、こちらを睨みつける先輩方が居た
フラッシュバックする先輩方の言葉により体がガチガチに固まる
真っ白で何も考えられない中、スターターピストルの音だけがやけに鮮明に聞こえた
しまったと思い慌てて走り出すが、出遅れた分を取り戻すことは難しく
奮闘の末、なんとか2位という位置に着く事が出来た
先生方は褒めてくれたし、友人や家族も喜んでくれた
それでも、先輩方は面白く無かったようで大会後も心無い言葉が私に向けられるのだ
「スカウト枠の癖に優勝も出来ないなんて」
そんな言葉ばかりが脳内を占拠していた
やめて
思い出したくないの
次はちゃんと優勝するから
だから、もう許して
握りしめた掌に爪が食い込む
身体中を駆け巡る負の感情をどうにかやり過ごそうと唇を噛み締める
「チーノ、Aさんも反応に困っとるからその辺にしといたらどうや？」
そんな沈みかけていた気持ちを救いあげてくれたのは大好きなロボロくんの声だった
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泉月。(プロフ) - ときあめさん» ときあめさん コメントありがとうございます！物語を書く際にshaちゃんを如何にかっこよく書けるかを追求している部分もあるのでそう言っていただけて本当に嬉しいです(；；) (2020年11月19日 17時) (
レス) id: 27a03f1fe8 (このIDを非表示/違反報告)
泉月。(プロフ) - あゆたさん» あゆたさん！いつも読んでいただき誠にありがとうございます！！！ これからも楽しんで頂けるような作品を書いて行けるよう頑張りますのね応援していただけると嬉しいです！！ (2020年11月19日 17時) (レス) id: 27a03f1fe8 (このIDを非表示/違反報告)
ときあめ(プロフ) - 今週分のrbくんも最高にすてきでした(T . T)毎週たのしみにしてます〜〜！rbくんの不器用な感じも、shaちゃんのスパダリ感も最高です。続きの方楽しみにしてます…！素敵な作品ありがとうございます。 (2020年11月19日 4時) (レス) id: 5d5f606a06 (このIDを非表示/違反報告)
あゆた(プロフ) - 初めまして。夜遅くにすみません。とても素敵な小説で更新を密かに楽しみにしているものです…。このご時世、体調に存分に気をつけて無理のないように更新、お待ちしております。 (2020年11月19日 4時) (レス) id: 0b438b4c7d (このIDを非表示/違反報告)
有咲/arisa(プロフ) - 泉月。さん» ｸﾞｯ…まだ現世にいるとするか…（←何だこいつ）最後まで見守ります!!! (2020年10月20日 17時) (レス) id: 1ecb7d6cb5 (このIDを非表示/違反報告)
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