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第九十四話 猫飼いたいなあ ページ48

大俱利伽羅「それで。少しは戻ったか」
『うん!元気になったよ、大倶利伽羅のおかげで』
大俱利伽羅「…そうか」
『今笑った?』
大俱利伽羅「…」
『隠すなよぉ加羅坊』
大俱利伽羅「…しつこい」

と言いながらもそんなに嫌そうにみえないのは機嫌がいいのだろう。

『…』
大俱利伽羅「…悩んでるなら言え。抱え込んでもいいことはない」
『大倶利伽羅に言われたくないなあ、いって』

肘で軽く突かれる。図星なのだ。

『まあでもそうだね。私一人で出来ることじゃないから話そうか』
大俱利伽羅「…」
『なんだその意外そうな顔は…』
大俱利伽羅「…別に」

猫のように目を見開いて明らかに驚いた顔したのにはぐらかす大倶利伽羅に私は。あの手紙のことを話す。

大倶利伽羅「あんたらしくないな。あんたなら考える前に動くだろう」
『失礼な考えてますよ。一応…』

まあでも…そうか。

『まだ間に合うかもしれないし…きっと何かできるはず。よし!!!行くぞ!!!』
大俱利伽羅「っ―――」

大倶利伽羅の手を引いて私は急いで本丸に戻る。猫ちゃん片手に。

『はあぁ…はぁ……』
川上「あのー…大丈夫ですか、先輩」
『待ってげほっ!!』
大俱利伽羅「…はぁ」

全力で走り本丸へ。その後休憩なしに川上に連絡を繋いで。私は自分の体力をまだ理解してないので前の勢いで走った結果。死にかけてます。大倶利伽羅に背中をさすられながら。

『げほっ!!!』
川上「先輩まだ調子戻ってないのに…」
『だってげっほ!!!』
大俱利伽羅「…」
川上「せめて咳が落ち着てから連絡してください…心配でこっちも咳が出そうですよ」

なんで???

『はあ…うん、大丈夫です』
川上「良かった…それで」
『そう。この手紙なんだけど』
大俱利伽羅「…切り替え早くないか」

大倶利伽羅のツッコミを横に。私は手紙の内容を話した。

川上「そうですね…この手紙。かなり前の物ですし……」
『この手紙を出した本丸がどこか出せる?』
川上「えっと…この本丸はまだありますね」
『本当!?』
川上「はい。かなり昔に新しく立て直していますが…解体されることはなく使われ続けているようですね」

となると…

『…今は普通の本丸、か。その前に何か事件等は起きてない?』
川上「…二百年も前のことになるとここからのでは情報が確認できませんね」
『データが古すぎて今の方には入ってない。となると資料室の中にあるファイルを探せばあるかも』

第九十五話 きまぐれなのは猫とは限らない→←第九十三話 猫の気まぐれ



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作者名:稲森 | 作成日時:2021年3月11日 22時

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