最強審神者はもうちょっとだけ続くんじゃあ！！！【刀剣乱舞】 (ページ37)

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第八十二話　奥の二人ページ37

『そうでしたね』

そう。この本丸の審神者はこの笑顔を向ける近侍の彼の手によって殺されたのだ。これは――

陸奥守「じゃからなあんにもわしはわからん」
『呪物は大体、刀剣男士には見つからないようにしているのが一般的です。審神者が男士にかけるなら。男士に見つかっては元も子もありません』
陸奥守「あんた随分酷いこと言うのう」
『実際この呪いの影響を受けているのは男士たちですから』
陸奥守「そうじゃのう…」
『では早速探しましょう。速めに見つけた方が助けられる数も増えるでしょう』

男士たちがどうして己を折らないのか。それは原因が二つほどある。一つは審神者がいると勝手に折ることはできない。顕現してすぐ己を折り始めるなんてあったら審神者トラウマになるよ…そしてもう一つはやはり呪いのせい。先の山姥切を見て思った。俺は出陣の怪我もあるが己で自分を傷つけているのもある。呪いのせいで折れるまでは至らない。つまり生き地獄。

こんな呪いをかけて一体。審神者は何がしたかったのだろうか。そうまでして呪いたい相手でもいたのだろうか。

『……』
陸奥守「どうじゃ？」

私を護衛、案内で陸奥守を横に本丸内を練り歩く。そこでたどり着いたのは

『……この奥』

やけに部屋の一つの中に奥まで続く構図のものがある。

陸奥守「あぁ、この先はレア太刀がおる」
『レア太刀…三日月宗近さんと小狐丸さんですか』
陸奥守「そうじゃ。あの二振りはめったに出てこん。顕現されてからずぅっとじゃ」
『お話を聞きに行っても？』
陸奥守「わしは勧めん。それでも行くならわしは行かん」
『そうですか…まあ一通りこの本丸内は歩きましたよね？』
陸奥守「あぁ。そうじゃな」
『なら陸奥守さんは休んでいてください。私は二振りに会ってきます』

陸奥守はそうか、と短い返事をして私を奥へ案内してくれた。光りはあまりなく薄暗い奥の部屋。最後の襖に手を掛けようとした時だ。

三日月「誰かいるのか」
『初めまして。政府からきました』
三日月「せい……」
小狐丸「ほら政府、です。前のぬし様が亡くなられた時にも」
三日月「あぁ、そういえばそんなものもいたな。してどうした」
『あのお二人の話をお聞きしたくてここへ来ました』
三日月「話…か特に話すことはないと思うが……」
小狐丸「どういたします？」
三日月「まあいいだろう。どうせすぐ折れるからな」

よい、入れの言葉を聞いて私は襖を開いた。