第四十六話 変わり ページ48
わあ流石刀剣男士。戦いに慣れてるからこりゃ完全に斬られるわあ。
ってそうじゃない!!!
咄嗟に私は目を閉じる。が、変わりに私に襲ってきたのは温もりだった。
『へ』
一期「…お帰りなさいませ。主殿」
太刀は納刀され私は一期に抱きしめられている。薬研と共に。
一期「もう目を覚まさないかと、不安で…」
薬研「いち兄…何も俺と一緒に抱きしめることないだろう」
一期「何を言っているのですか薬研。泣いてる弟を前にして抱きしめない兄がいますか」
『…し、死ぬかと』
一期「私が主殿を斬ることはありません。この太刀は主殿に仇なす者だけを斬るために振ると誓っていますから」
青髪と共に綺麗な黄色の瞳が揺れた。
山姥切「で。これはどういう状況だ」
薬研「お。もう拭き終わったか。流石山姥切の旦那、お疲れさん」
一期「毎度私たちに心配をかける主殿に説教したまでですよ」
にっこりスマイル王子。その瞳にもう涙はない。
山姥切「それで、どうする?」
薬研「本当なら部屋でまだ寝ててもらいたいところだが…大将に話さなければならないことが山積みだ」
山姥切「わかった。主は俺が部屋まで運ぶ」
薬研「担ぐのはやめてくれよ旦那。じゃ」
一期「私たちは皆さまをお呼びしましょう」
私が口をはさむ暇もなくテキパキと進んでいく展開。
『ふぇい!?』
急に体が浮いて変な声が出る。
山姥切「動くなよ」
こ、これはお姫様抱っことかいうやつでは…やべぇよ美形が目の前にいるよ……顔面国宝級だよ
山姥切「…あまり見るな」
『いやあ綺麗な顔してるな―――』
あ
山姥切「……き、綺麗とか言うなっ!!」
顔面を真っ赤にした山姥切。布をいつものように引っ張り顔を隠したいが両手が塞がっているため彼は目を逸らすことしか出来なかった。
『…はは、可愛いのお』
ツンツンと私は頬をつつっく。勿論、両手で抵抗できないのをいいことになあ!!!
山姥切「やめろ…落とされたいか?」
『ス、ンマセン…ッ』
ガチトーンで言われたので手も声も笑顔をも引っ込んだ私を連れてあの部屋に帰ってくる。
山姥切「降ろすぞ」
『はい』
そっと布団の上に降ろし丁寧に掛布団もかけてくれる。
『ありがとう山姥切』
山姥切「あぁ。他に何か必要なものはないか?喉は乾いてないか?」
あれ山姥切ってこんなに面倒みよかったけな
山姥切「それとも腹が減ってないか?」
こんなに必死になって考えている。
あぁ。やっぱり成長したんだね。
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作者名:稲森 | 作成日時:2020年12月21日 22時