第三十三話 死ぬのね走馬灯が見えるのよ… ページ34
宗近「出来ることならばいたい。だが言った通り俺の存在は主を苦しめよう、それに。俺も寿命が来ていたからな。はっはっは。刀剣男士、神と言えど付喪神。形あるものいつかは壊れよう。偶然にもそれが今だっただけのこと。……やはり主には申し訳ないものだな。もっと…長く共に……」
清光「そんなこと言ったら俺たちだってもっと主のそばにいたかった」
宗近「そうだな。なら少し長く居れただけ俺は運が良かった」
清光「まあでも、あんたがいなくなったら確実に悲しむだろうね。しょーじき、この本丸に主がいるの不安だった」
そう言われてムッとする加州たち。
清光「でもさ、今こうして見て。わかった。あんた達となら主も大丈夫だってね」
宗近「そうだ。俺たちがいなくとも。今の俺たちがいる。過去ではないお前たちがな」
今度はしっかり宗近は三日月を見る。
宗近「主をよろしく頼む」
三日月「……無論。主は任せよ。何があろうと守ってみせよう」
三日月も宗近を、三日月宗近をしっかり見る。
宗近「ではな」
宗近たちは背を向ける。そしてあの光輝く方へ歩んでいく。
三日月「…」
山姥切「大丈夫だ。あの三日月が言った通り、俺たちがいる。これから何が起きようとも主と共に」
三日月「…あぁ」
もう姿が見えないその先へ三日月は微笑んだ。
で。本当に死ぬのね…
A「仕方ないだろう。霊力足りなかったんだから…死体消えていないし、まだ自分の世界も壊れてないからいけると思ったんだけどなあ…まあ諦めてください。そもそも死ぬ予定だったんでしょう？」
そうだけどさ…生き返れるとか言われたら喜ぶじゃん？ぬか喜びだよ…
A「そうだけ――」
…どうした？
A「…あーなるほどね。私消えるわ」
え？え？？何急に？？
……
あの、急に黙らないで！！ねぇ！！
……
いやこれまじで…死ぬのかあ。はあ良かった…私が先に消えなくて……こんな独りできえていくのは寂しいからな…私が最後でよかったよ。
宗近「主は相変わらずお人好しだな」
よく言われる。……えっ？？
いきなり目の前に三日月が見える。何も見えなかった真っ暗な世界だったのに？なんで急に
『あ、やっぱり死んだんだ私。いや待って。三日月がここにいるのはおかしい…だって入院してるはず、だよね？』
宗近「おかしくないぞ。俺はここにいる。それに主は死なん」
『走馬灯ちゃうの…？？？』
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年12月21日 22時
