第二十八話 更新大分遅れまして申し訳ありません… ページ29
A「ちょ…自分で何してるか、わかって…」
『わかってるよ…私だもの』
朱く温かい液体が自分の体を流れ落ちているのが分かる。それもかなりの量。
さて…どうなるのかな
A「どうなるって…まさか、何も考えずに?」
『だって突拍子もないことしないと…自分に気づかれるじゃん』
やべ……こんなに深く差したけど大丈夫、かな
『っ!』
私は自分の太刀を己の腹に刺した。想っていた通りもう一人の自分も同じ傷を負っている。痛みもまるっきり同じなようだ。
そして更にその太刀の方向を変える。えぐられたその部分。更に落ちる赤黒い塊。臭いも更に強く鼻をつく。
A「こんなこと…して一体……」
『私ならもう…わかるんじゃ、ない?』
A「まさかっ…」
その時
小狐丸「っ!!」
加州「主!!」
長谷部「主っ!!」
膝丸「!!」
髭切「――」
え
『皆…なんでここに……』
口から吐き出される赤い液体。
一気に私を取り囲む皆。そして敵意をもう一人の私に向ける。
A「……」
髭切「へぇ――」
『髭切…』
斬り捨てようとした髭切の手を掴む。
髭切「どうして?」
『わかってると…思うけどさ、その子も私、なんだ…』
己の太刀で斬ったやつが言うセリフじゃないんだけども。
A「どうして」
『神になりたくない…だからこうするしかなかった』
長谷部「主っ!!主、主!!」
長谷部が私の体を支えて叫んでいる。穴が開いた箇所を必死に抑えようと。
『ごめんね、長谷部…』
加州「なんで…こんなこと、しなきゃ…」
小狐丸「…」
膝丸「他に、他に助かる方法はないのか!」
髭切「…」
『ないかなあ…己を斬れるのは己だけだもの…だよね、小狐丸』
小狐丸「そうじゃな…今のぬし様を斬れる者は刀剣男士とて無理じゃ…」
三日月「…あの向こうに主がいる、が……」
鶴丸「どうした爺さん」
三日月「俺は先。斬るのは無理だと言ったな」
貞宗「おう」
三日月「…俺たち刀剣男士が斬ることは出来ぬ。だが主が己を斬ることは容易だろう」
鶴丸「!」
篭手切江「まさかっ!!」
三日月「…行くぞ」
鳥居の中へ皆は飛び込んだ。
なんでかな。
なんでいつもうまくいかないんだろう。
私、いつも頑張ってるはずなのにな。
普通の人のように生きるのも我慢した。
大事な刀剣男士たちとも別れた。
政府で嫌な仕事沢山した。
いつも助けを必要としてる者たちは出来るだけ助けた。
なのに結果はいつも最悪だ。
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作者名:稲森 | 作成日時:2020年12月21日 22時