第四十七話 辛いに一本線を足すと… ページ48
『……辛かっただろう。ずっと』
秋田と三日月も何度も目の前で同じ自分が折られていた。審神者にずっとあの地下で。目の前で自分が折れていくのを見るのは暴力を振られるよりも痛くて悲しくて……
『…でも私はそれを背負えないよ』
私の周りを黒い何かが蠢いていた。だがその言葉に静かになった。
『背負えないんだよ誰にも。他の刀たちにも。この記憶も思いも全て貴方達のものだから。誰かに背負わるなんていけないことだ。関係のない刀たちを巻き込むのも…でも貴方達の境遇は同情しよう。そして痛みを分かち合うことはできる。分かち共に涙を流すことは出来る』
頬を伝う涙が増えていく。
『…だから解放してあげて欲しい。自分を許してあげて…秋田。本当はこんなことしたいわけじゃなかったんでしょう。でのその辛い事実から逃れられなくて憎くて悲しくて……審神者のことも自分のことも許せなくて……思いにとらわれてしまった』
すると黒い何かは消え、秋田藤四郎が姿を現した。
秋田「っ…」
泣いていた。小さな肩を震わせて。
『大丈夫。私は貴方を責めはしない』
秋田「なんで…っ」
『だって責めたってなにも変わらないでしょう？起きたこと。過去は変えられない。でも未来は変えられるって言うじゃん？だから秋田ももう責めるのやめよ。辛いだけだし』
秋田「…でも貴方を傷つけてしまった…」
『大丈夫大丈夫ー。死んだわけじゃない、世界が終わるわけじゃない』
秋田「……ありがとう、ございます」
すると秋田の後ろから
三日月「俺たちを許してくれるのか？」
『うん。三日月も許してあげて…それでお願いなんだけど秋田を開放してあげて』
政府の秋田が影響を受けていたのはきっと政府の秋田も過去に似たようなことがあったから共鳴してしまったのだ。
『それと三日月も』
三日月「勿論。もう大丈夫だ」
三日月の様子もおかしかったのは同じく影響を受けていたからだ。
三日月「お主には感謝する。俺たちはずっとこの憎しみ囚われ続けていた。神だというのに情けないな」
『神様だって病みたいときもあると思うよ。人間て面倒だからねー』
三日月「お主も人間だろう…いやその霊力からして何か違うのか」
『そう私は審神者だから普通の人間とはちょっと違う』
秋田「いえそういうことではなくて…」
『？』
三日月「はっはっは。お主面白いな」
今のやりとりで一体何が面白かったんだ…？
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稲森(プロフ) - あららぎさん» コメントありがとうございます！ 私自身も書きながら怖かったりします笑 あららぎさんのように励ましのコメントいただけて活力になってます(n*´ω`*n) これからもよろしくお願いします！ (2020年10月2日 22時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
あららぎ(プロフ) - こ、こわいっ！！のに、面白いから、続きが気になって読んでしまう！！ やっぱりこのお話、最高です。(^∀^b 更新頑張ってください！！これからも応援してます！！ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2020年10月1日 23時) (レス) id: 8a566a89b7 (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» また誤字報告ありがとうございます！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆最新話読ませて頂きました♪その最新話14話にてヒロインの台詞に誤字が一ヶ所御座いましたので^^;御報告を！「喧嘩は〜」の辺りからの台詞にて最後の台詞で誤「勝手」→正「勝って」ですね。それでは次のお話を楽しみにしております(*^^*) (2020年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» 初めましてコメントありがとうございます！ 誤字報告ありがとうございます！助かります…！！ 楽しんでいただけて嬉しいですこれからもよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年8月31日 22時
