第四十三話 蔵 ページ44
『山、みたいだね』
鶴丸「これもどっかの本丸の山ってことか」
構図からして厨の裏口に山があるのはおかしい。
『…？』
鶴丸「どうした？」
山、と言っても山中。そこに畑があって木々で囲まれている場所なのだが…畑に誰か立っているのが見える。
『……』
加州「あそこに立ってるの…鶴丸？」
鶴丸「俺はここにいるぞ？」
山姥切「だが白いし……あの姿はあんただろう」
畑に立っているのは確かに鶴丸国永。だが…
三日月「あちらだと言っている」
『…あちらって』
加州「確かになんか指さしてる？」
確かに左腕を上げて指をさしてるようには見える。
三日月「行こうか。あまり見ない方がいい」
『…やっぱりそっち系？』
三日月に腕を引っ張られる形でさされた方向へ向かう。
加州「あんまり見ない方がいいって…まさか」
鶴丸「っとこういうのは知らぬが仏って奴だな。特に今は」
まさに鶴丸の言う通り。今はまだ知らない方がいいかもしれない。知ってしまったら向こうに連れていかれてしまうような…そんな予感がした。
鶴丸も加州と山姥切をせかす形でその場を後にする。
『……ねぇこれじゃない？』
刺された方向へ向かって数分後。畑の奥の奥。一つの蔵が姿を現した。
『！』
蔵の前に黄色と青色のグラデーションがかかった飾りを見つける。
『これは貞宗の…』
鶴丸「ここってことだなあ」
加州「ここ、入るの…？」
蔵の鍵は開いて…ますよねーはは…
いとも簡単に開いた蔵。中はやはり蔵ということもあり光はほとんどなく温度が低い。
『ここは開けておくから大丈夫だよ加州……多分』
加州「今多分って言った？ねぇ！」
鶴丸「ほら駄々っ子。入るぞー」
加州「駄々っ子やめて！」
蔵の中は何やら大きめの箱が並んでいる。
山姥切「これは…」
鶴丸「っと」
山姥切「ちょ」
怯える山姥切を横に鶴丸は抵抗なく箱を開ける。
『……刀だ』
大量の刀がみっちり入っていた。それも全て原型もわからないほど折られ、溶け、焦げている。
加州「う……」
『あまり見ない方がいいよ』
恐らくこの箱全て……
『？』
ふと見た時、何やら隅のほうで固まって動かない三日月が目に入る。何かを見つけたと思ったが何やら様子がおかしい。
『三日月？…三日月！』
三日月「…どうした？」
声を掛けたが反応が明らかに遅く、ゆっくり振り返ってこちらに微笑む三日月。
『……大丈夫？』
三日月「ん？俺は大丈夫だぞ？」
その目に光はない。
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稲森(プロフ) - あららぎさん» コメントありがとうございます！ 私自身も書きながら怖かったりします笑 あららぎさんのように励ましのコメントいただけて活力になってます(n*´ω`*n) これからもよろしくお願いします！ (2020年10月2日 22時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
あららぎ(プロフ) - こ、こわいっ！！のに、面白いから、続きが気になって読んでしまう！！ やっぱりこのお話、最高です。(^∀^b 更新頑張ってください！！これからも応援してます！！ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2020年10月1日 23時) (レス) id: 8a566a89b7 (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» また誤字報告ありがとうございます！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆最新話読ませて頂きました♪その最新話14話にてヒロインの台詞に誤字が一ヶ所御座いましたので^^;御報告を！「喧嘩は〜」の辺りからの台詞にて最後の台詞で誤「勝手」→正「勝って」ですね。それでは次のお話を楽しみにしております(*^^*) (2020年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» 初めましてコメントありがとうございます！ 誤字報告ありがとうございます！助かります…！！ 楽しんでいただけて嬉しいですこれからもよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年8月31日 22時
