第二十七話 小指は痛いよね小指は！！ ページ28
青江「僕は偶然通りかかっただけなんだけどね。夕焼けに見とれている君を見つけた。殺気しかなくて受け入れてもらえない男士が大勢いる中…普通なら絶望しかないこの本丸の審神者になった君は苦しんでいるものだと。そう思っていた。なのに…夕焼けを見ている君の目は希望で満ちていた」
歩みを止める青江は寝顔をそっと見つめている。
青江「驚いたよ。思えば泣いてるところも愚痴を言うこともなかったね。あの顔、今でも思い出せる。そしてこちらを振り向いて笑ったあの顔も…にっかり青江だよね、なんて気軽に僕の名前を呼んでさ……それも衝撃的だった。いやそれよりも無理して笑わなくていいと言われた時のほうがもっと衝撃的だったよ…まさかこのにっかり青江にそんな言葉を掛ける人間なんていなかったからね」
再び歩き出す。
青江「最初は意味が分からなかった。でもね、君と共にいる時間が長くなっていって…やっとわかった。……僕はこの本丸がブラック本丸になった日から無理に笑っていた。辛くても苦しくても…そうすることで気持ちを封じ込められたから…でもそうやっていけばいくほど自分のことが分からなくなっていく僕を君は気付いていたんだ、最初から」
部屋に着き布団を敷いて寝かせる。
青江「君に救われた。ありがとう。だから恩は返すよ。だから…まだいなくならないで欲しいな。もしいなくなってしまうならいっそ……なんてね、冗談さ。ゆっくり休むといい。おやすみ」
青江がいなくなった部屋。太陽が落ちて暗くなる部屋。
……？
『……なん、の音？』
というか……ここ、私の部屋か？
天上と家具の配置で確信する。
『寝てた…んか……』
でさっきからなってるのは
『…電話？』
本丸内には黒電話がある。それは本丸内にいくつか設置してあるもので本丸が広いため本丸内での連絡手段の一つ。大広間とかお風呂場とかに連絡するときにしか使わないが案外便利。なんで黒電話とかというとかっこいいから。そして黒電話がなんだかわからない人がいたら検索してね☆
『…ふわあ……んー、えっと？ってえ！！！』
暗い部屋の中を寝ぼけたままで動いたため思い切り机の角に小指が直撃する。
いってええええよ！！！痛いんだよ小指は！！！特に痛いんだよ！！！
小指を抱えて悶えながらやっと黒電話を取る。
『もしもし？』
…？
砂嵐の音しか聞こえない電話。
『もしもし！？』
壊れたか？
そう思った時だ
「ねぇ」
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稲森(プロフ) - あららぎさん» コメントありがとうございます！ 私自身も書きながら怖かったりします笑 あららぎさんのように励ましのコメントいただけて活力になってます(n*´ω`*n) これからもよろしくお願いします！ (2020年10月2日 22時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
あららぎ(プロフ) - こ、こわいっ！！のに、面白いから、続きが気になって読んでしまう！！ やっぱりこのお話、最高です。(^∀^b 更新頑張ってください！！これからも応援してます！！ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2020年10月1日 23時) (レス) id: 8a566a89b7 (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» また誤字報告ありがとうございます！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆最新話読ませて頂きました♪その最新話14話にてヒロインの台詞に誤字が一ヶ所御座いましたので^^;御報告を！「喧嘩は〜」の辺りからの台詞にて最後の台詞で誤「勝手」→正「勝って」ですね。それでは次のお話を楽しみにしております(*^^*) (2020年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» 初めましてコメントありがとうございます！ 誤字報告ありがとうございます！助かります…！！ 楽しんでいただけて嬉しいですこれからもよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年8月31日 22時
