第十九話 呪い ページ20
一期「何を」
『わかってます。この本丸に何がいるのかを』
一期「……わかるの、ですか」
『えぇ』
一期「そうですか…」
俯いた一期。
『！』
太刀を抜いてこちらに向ける。
『刀をしまってくれますか？』
一期「申し訳ありません…前田を助けて頂いたことは本当に感謝しています……ですが、ですがっ！我が主に逆らうことはできないのです！」
踏み込んできた一期を避け左手で右手を封じ、太刀を落とした。
一期「なっ！」
『一期一振、私の話を聞いてください。ここにいる怪異はこのまま放っておけば被害が前田藤四郎だけではすまなくなります！』
一期「え、それはどういう…いえ、主殿は…前田はなんの関係もないと仰っていた…」
知らなかったのか？いや…知っているはずだ。こんな状態の本丸で関係ないと考えることなんて普通はありえない。
『前田藤四郎が取り付かれた怪異はまだ初期段階の弱い怪異でしたからまだ救いようがありました。一期一振、目を覚ましなさい！貴方はこの怪異の臭いに侵されている…おかしいと気付いているはずです！』
一期「っ…わた……しは…っ！」
駄目だこのままじゃ
一期「！」
隙を狙い首裏を叩き気絶した一期をそっと床に寝かせる。
『……やっぱり呪いか』
部屋を出て鶯丸の霊力を確認する。
『鶯丸！』
鶯丸「やあ。これが元凶だよ」
辿り着いたのは中庭。その真ん中で鶯丸は地面に太刀を突き刺していた。太刀の先にはムカデのような形をした黒い何かが蠢いていた。
『鼻がもげそう…』
強烈な臭いに顔を歪ませる。
鶯丸「丁度、呪いをかけた主人の元へ帰るところだったから捕まえたのさ」
鶯丸が視線を促す。その先にいたのは
『前田藤四郎！』
蠢くものに気を取られて気付かなかったかが確かに前田藤四郎が倒れていた。急いで駆け寄り状態を見る。
『…これなら』
札を貼って霊力を補給。
前田「うっ…」
苦しそうな声を上げたがなんとか折れずに済んだ。
『…！』
だが視線の先には複数人の男士たちが倒れこんでいる。
『…っ』
鶯丸「動くな」
駆け寄ろうとして後ろから止められる。
鶯丸「わかってるだろう主。そいつらはもう」
『…っあぁ』
霊力が全く感じられない。もうここに来る前から……
鶯丸「これは地面に埋められた男士たちを少しずつだが霊力を吸って生きていた。この強烈な臭いを発しながらな。この臭いで男士も冷静な判断が下せなくなっていたんだな」
蠢くものを鶯丸は睨んだ。
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稲森(プロフ) - あららぎさん» コメントありがとうございます！ 私自身も書きながら怖かったりします笑 あららぎさんのように励ましのコメントいただけて活力になってます(n*´ω`*n) これからもよろしくお願いします！ (2020年10月2日 22時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
あららぎ(プロフ) - こ、こわいっ！！のに、面白いから、続きが気になって読んでしまう！！ やっぱりこのお話、最高です。(^∀^b 更新頑張ってください！！これからも応援してます！！ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2020年10月1日 23時) (レス) id: 8a566a89b7 (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» また誤字報告ありがとうございます！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆最新話読ませて頂きました♪その最新話14話にてヒロインの台詞に誤字が一ヶ所御座いましたので^^;御報告を！「喧嘩は〜」の辺りからの台詞にて最後の台詞で誤「勝手」→正「勝って」ですね。それでは次のお話を楽しみにしております(*^^*) (2020年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» 初めましてコメントありがとうございます！ 誤字報告ありがとうございます！助かります…！！ 楽しんでいただけて嬉しいですこれからもよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年8月31日 22時
