第十一話 本丸 ページ12
とりあえず食べてもらう。
『どうですか？』
一期「これは…美味しいです！」
ぱあっと表情が明るくなる一期。
鶯丸「うん。中々」
頷きながらケーキを頬張る鶯丸。どうやら満足した貰えたようだ。
『どうかな』
前田「…」
無表情で口だけを動かしている前田を心配そうに横から一期が見ている。
前田「……美味しい、です」
『そう良かった！はいこれはアールグレイ』
表情は変わらなかったがその言葉に偽りはなさそうだ。それに
一期「えぇ…大変美味ですね、前田」
一期も美味しいと答えた前田に少し安堵したようで
つまり、まだ完全に前田は怪異に乗っ取られてはいないようだ。
『あ、そうだ。せっかくなのでこのケーキ他の皆さんにも食べてもらいましょう』
一期「いえ、さすがにそんな」
『いいんですよ。ホール二つ作っておきましたので。はいどうぞ』
箱を二つ前田藤四郎に渡す。
一期「すみません…前田、先に本丸に戻ってそのケーキを届けてくれるかい？私は昨日万屋で買い足しをしてきますから」
前田「…」
無言でうなずいて前田は本丸へ帰って行った。
『まだ完全に前田くんは怪異には乗っ取られていません。それにもう大丈夫ですよ』
一期「え？それは…」
『前田くんに取り付いている怪異は触れることによって相手を乗り換える怪異ですから』
一期「…まさか！いやその―――」
『これで前田くんは明日にはいつも通りのはずです。大丈夫ですよ怪異は私が何とかします』
一期「ですが貴方がわざわざ怪異に…」
『これが仕事ですから。それに怪異には慣れてる方なのでお気になさらず』
カウンター席に座る際、前田の手を取った私。その時に怪異は前田藤四郎から私へとターゲットを変更したということ。まだ怪異は前田の中にいるけれど必ず今日のうちに乗り移りに来る。
怪異の感染は様々。聞くだけで移るもの。見るだけで移るもの。触れることで移るもの。
その中で前田藤四郎の中にいた怪異は触れることで感染するものだった。実際、触れることで移るかどうかは勘。いやー長く生きてると勘が冴えるものなんですなあ
『あ、そうだ。貴方の本丸に行ってもいいですか？』
一期「え」
すると一期の表情はかなり曇り始める。
一期「…それは」
『大丈夫ですよ。誰も傷つけることはしません。させません』
一期「！」
『刀剣男士を守る。これが本当の目的で私は相談役をやっているんです』
鶯丸「あぁ。審神者だからって我慢する必要はない」
一期「…わかりました」
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稲森(プロフ) - あららぎさん» コメントありがとうございます！ 私自身も書きながら怖かったりします笑 あららぎさんのように励ましのコメントいただけて活力になってます(n*´ω`*n) これからもよろしくお願いします！ (2020年10月2日 22時) (
レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
あららぎ(プロフ) - こ、こわいっ！！のに、面白いから、続きが気になって読んでしまう！！ やっぱりこのお話、最高です。(^∀^b 更新頑張ってください！！これからも応援してます！！ﾄﾞｷﾄﾞｷ (2020年10月1日 23時) (レス) id: 8a566a89b7 (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» また誤字報告ありがとうございます！ (2020年9月14日 17時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - こんばんわ☆最新話読ませて頂きました♪その最新話14話にてヒロインの台詞に誤字が一ヶ所御座いましたので^^;御報告を！「喧嘩は〜」の辺りからの台詞にて最後の台詞で誤「勝手」→正「勝って」ですね。それでは次のお話を楽しみにしております(*^^*) (2020年9月13日 22時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
稲森(プロフ) - 華音さん» 初めましてコメントありがとうございます！ 誤字報告ありがとうございます！助かります…！！ 楽しんでいただけて嬉しいですこれからもよろしくお願いします！ (2020年9月8日 22時) (レス) id: 17ab3ec999 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：稲森 | 作成日時：2020年8月31日 22時
