73話 ページ25
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雑談に花を咲かせていたわたしも、時間が経つにつれて気が気ではなくなり、どんどん口数が減っていった
もうすぐ夕暮れが訪れようとしている
決着がついていてもおかしくない頃合だ
｢…雪代さん……｣
無事かな？たくさん怪我してるのかな？早く会いたい。早く会って、顔が見たい。話がしたい…
膝を抱え、不安に押しつぶされそうなわたしを、沢下条張は少し困ったような表情で見守った
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ジリリリリリリ
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｢…！｣
静かな資料室の中、今まで何の音沙汰もなかった黒電話に1本の報せが入る
はやく、はやく取って！と言わんばかりに沢下条張に目線を送ると、彼は少し急ぎ足で黒電話を手にした
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｢…ほな、見張りはこれで終わりっちゅーわけで。へいへい｣
ガチャ、と受話器が乱雑に置かれる
わたしは大人しく待っていた間に頭に浮かんだ質問を、ここぞとばかりに一斉に彼にぶつけた
｢どうなったの？雪代さんは無事？今どこにいるの？｣
｢…あー……｣
わたしの問いかけに、気まずそうに目線を逸らす沢下条張
なんだか嫌な予感がする
｢…言って。お願い｣
｢…なんちゅーか……、まぁ、雪代縁は負けたんやけどな…｣
｢…｣
想定内といえば想定内。だが、やはり少し信じ難い。あれほど強い雪代さんが負けるなんて、緋村抜刀斎は何者なのだ
｢そんで捕縛された雪代縁やけど…。なんか神谷の嬢ちゃんから本？日記？受け取って｣
巴さんの日記だ。間違いない
良かった。ちゃんと雪代さんの元に渡ったんだ
｢そんで警察隊の船からどうやったんか知らんけど脱獄したらしいわ｣
｢…ん？｣
｢いやはや、感心するわ。周りサメうようよの海やで。どやって脱獄したんやろ｣
いや、感心している場合じゃなくて
｢さ、探しに行かないと！国外逃亡でもされたらもう一生会えないじゃないですか！｣
勢いよく立ち上がり、柱と固定されている手首の拘束を 切って！ と言わんばかりに沢下条張の目の前に差し出す
｢ま、無理せん程度にな｣
沢下条張が腰に帯刀していた短刀で縄を切ると、わたしは一礼、深々と彼にお辞儀をして資料室を後にした
脇目も振らず、ただ一目散に東京湾へ向かう
雪代さんは手負いなのだ。一晩でそんなに遠くへは行けないはず
そして、逆を言えば、この一晩で見つけれなかったら会える可能性はグンと減る。完全に詰む
何としてでも見つけるのだ。あの一際目立つ白髪を頼りに
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はな - 完結してかも何回も何回も読み直させてもらってます！いつか短編集も読めることを楽しみにしています🥺💗 (10月1日 23時) (
レス) @page49 id: 5a141b2009 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - ちかさん» ありがとうございます😭‼️雪代縁よ…こうであれ…と欲のままに筆を走らせたのでそう言っていただけてとても嬉しいです😫💖短編集の方も欲望のままに書きなぐりますね🥺💗 (2023年1月27日 12時) (レス) id: ffc85090d4 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - 酒饅頭さん» うわ〜！嬉しいです！雪代縁を雪代縁っぽく喋らせるのめっちゃ難しいですよね…😂これほんとに雪代縁？となりながら夢主との掛け合いを書いていたのでそう言っていただけて安心しました！😭読んでくださりありがとうございます！ (2023年1月27日 12時) (レス) id: ffc85090d4 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - ましゅまろぉさん» ありがとうございます！わたしもハマりたての時に探して え！？メリバしかねぇ！！！(卒倒)となり自家発電しました…😂嬉しいお言葉本当にありがたいです😭💗短編も頑張ります🫡💖 (2023年1月27日 12時) (レス) id: ffc85090d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて最高でした〜(;_;)(;_;) 武山様が書く雪代縁が大好き過ぎて何度胸が張り裂けそうになったか…短編集まで、書いてくれるのを考えてくれてらっしゃるだけで最高ですありがとうございました。何度も見返して雪代縁を堪能します(^^)/ (2023年1月26日 0時) (レス) @page50 id: d496fe5261 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：武山 | 作成日時：2021年6月24日 21時
