59話 ページ11
一体何が起こっているんだ と、困惑しながら女の子と住職さんのやり取りを見守っていると、わたしの視線に気づいたのか 女の子が不審なものを見るような目でこちらへ顔を向けた
恐らく15歳ほど。幼くて可愛らしい顔つき…長い髪を三つ編みで1束に結ってある
ここらへんじゃなんとも珍しい格好だ。忍装束というやつだろうか？
｢えっと…、何か用？｣
｢あっ、いや…｣
いけない、あまりにもガン見しすぎてしまっていた
慌てて目線を逸らしてその場から離れようとするけれど
このまま退散してしまっていいのだろうか？
先程聞こえた雪代巴さんの日記というワード。それを持ち出して一体どうしようというのだろうか
｢…雪代巴さんって聞こえたから…、つい気になって｣
おずおずとそう答えると、目の前の女の子は ああ、 と納得したような表情を浮かべた
｢あなた、雪代巴さんの知り合い？｣
｢いや、正しく言うとその弟さんと…
…っ！｣
途端、女の子が表情が強ばる
睨むようにわたしを見据えれば、姿勢を低くして少し距離をとられた
あきらかに臨戦態勢に入っている。ポケットの中で何か握りしめているのが分かった
飛び道具か何かだろうか
思わず降伏の意味で両の手の平を パ、と女の子に向けた
わたしに争う意思は全くない。まず何したって負けるのが関の山だ
｢雪代縁の仲間？｣
｢…と、いうより友達ですかね｣
｢帯刀しとるし、京都も狙いのひとつだったってこと？｣
｢いや、それは違くて。わたしはただの一般人ですし…｣
なんて言えばいいんだろう
仲間か？と聞かれると、仲間ではないし
刀も貰い物で握り方すら分からないし…
でもわたしは全面的に雪代さんの味方だし…
あまりのわたしの情けなさに敵意はないと感じ取ってくれたのか、女の子が ｢本当にただの知り合いなだけなのね｣ とポケットの中で握りしめていた武器から手を離す
思わず ほっ、と胸をなでおろした
.
｢わたしも聞かせてください。どうして巴さんの日記を？｣
｢…雪代縁を止めるため。緋村も戦うことを望んでないから…｣
｢緋村…｣
また出た
緋村という名前
これはただの勘だけれど、その名前はなんだかとても嫌なものを感じる
.
｢そ、緋村。知らない？
巴さんの元旦那さん｣
｢……｣
…ああ、やっぱり
嫌な予感というものはわたしの意思に反して大体的中してしまうものだ
｢…知ってますよ。
.
緋村抜刀斎、ですよね。｣
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はな - 完結してかも何回も何回も読み直させてもらってます！いつか短編集も読めることを楽しみにしています🥺💗 (10月1日 23時) (
レス) @page49 id: 5a141b2009 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - ちかさん» ありがとうございます😭‼️雪代縁よ…こうであれ…と欲のままに筆を走らせたのでそう言っていただけてとても嬉しいです😫💖短編集の方も欲望のままに書きなぐりますね🥺💗 (2023年1月27日 12時) (レス) id: ffc85090d4 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - 酒饅頭さん» うわ〜！嬉しいです！雪代縁を雪代縁っぽく喋らせるのめっちゃ難しいですよね…😂これほんとに雪代縁？となりながら夢主との掛け合いを書いていたのでそう言っていただけて安心しました！😭読んでくださりありがとうございます！ (2023年1月27日 12時) (レス) id: ffc85090d4 (このIDを非表示/違反報告)
武山(プロフ) - ましゅまろぉさん» ありがとうございます！わたしもハマりたての時に探して え！？メリバしかねぇ！！！(卒倒)となり自家発電しました…😂嬉しいお言葉本当にありがたいです😭💗短編も頑張ります🫡💖 (2023年1月27日 12時) (レス) id: ffc85090d4 (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - めちゃくちゃ面白くて最高でした〜(;_;)(;_;) 武山様が書く雪代縁が大好き過ぎて何度胸が張り裂けそうになったか…短編集まで、書いてくれるのを考えてくれてらっしゃるだけで最高ですありがとうございました。何度も見返して雪代縁を堪能します(^^)/ (2023年1月26日 0時) (レス) @page50 id: d496fe5261 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：武山 | 作成日時：2021年6月24日 21時
