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歩く足が止まらない。
私を言葉や行動を無視するかのように、腕を掴まれ、支配されていた。
何故か先輩と別れてから目も合わせてくれなくて、正直困ってる。
先刻まで条野さんと普通に話していたのに、先輩と会った途端、態度が急変した。
『条野さん……!!一体何処に行くんですか?』
「……」
『条野さん離して…っ!』
そう云った直後、ピタリと彼の足が止まった。
やっと言葉が届いたと思ったら、近くにある壁に体が押し込まれ、所謂壁ドン状態になった。
力強く腕を押す、かつ表情が何時もより暗い条野さんに驚いた。
『じょ、条野さ_』
「…………………何でですか。」
『え?』
彼が呟いた言葉は酷く冷たく、私に対して怒りを露にしている。
「何故、あの人と居るんです?」
『あの人って先輩のことですか?………否、其れは…』
其れはと云った後、直ぐに口を閉ざした。
先輩がご飯を誘ってくれた理由は、私が先日条野さんの事で気にしていたからだ。
そんなこと、本人には絶対云えないのに__
他の理由を考えていると、彼は何か察したようで
「……__あの男の方、貴方を狙っているようですよ。」
『は!?』
何を云うのかと思ったら信じられない言葉が投げられた。
『狙うって、なんですか…?』
「そのままの意味です。お酒で貴方を酔わせて襲うつもりです。___Aさんは其れも分からないんです?」
条野さんは冷たく発して、私を脅すかのように云った。彼だから、きっと何でもお見通しという自信満々な顔で私に伝えるが、今の私には条野さんがただ怖かった。
腕も痛いし、投げるかのように壁に追い込まれたし__
『……先輩は、私の事気にかけてくれたんですよ__。其れに条野さんは心音とか分かるだけで、未来の事なんてわかる筈ない。彼に酷く云うのは辞めてくださ__ぁ』
つい私は淡々と喋ったが、目が冴えて彼を見る。
私は、今なんて言った?
「………_______。」
まるで、私は彼に拒絶している感じに見えている。
少なくとも彼はそう感じているに違いない……今だって私の心の中はモヤモヤのままで__
彼に嫌われたくない、
彼に嫌われて欲しくない、
『これは、違っ…』
「違うと云って、何故震えているんです?」
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雨と雫(プロフ) - 最高です!というかひたすら夢主ちゃんが可愛い←私個人的にひやつさんのかく夢小説が大好きです!!更新頑張ってください! (6月21日 19時) (レス) id: 312a1378ed (このIDを非表示/違反報告)
ひやつ(プロフ) - FLOWERさん» わわ!本当ですか!?😭好きになって貰えて嬉しいです!✨更新も頑張りますね! (6月21日 0時) (レス) id: b23e9ed6da (このIDを非表示/違反報告)
FLOWER(プロフ) - コメント失礼します!文ストを知った当初、条野さんは推しではありませんでしたが、こちらを見てドキがムネムネですほんとにたまらんです…推しになりましたありがとうございます…更新応援しております!頑張ってください! (6月12日 2時) (レス) @page23 id: 87ff2022c1 (このIDを非表示/違反報告)
ひやつ(プロフ) - 天然石さん» 更新遅くなってしまい、申し訳ないです…泣(土下座)少しずつ更新していきますね…! (6月4日 19時) (レス) id: b23e9ed6da (このIDを非表示/違反報告)
ひやつ(プロフ) - ひなのさん» コメントありがとうございます!!今後の展開をお楽しみに…っ!☆ (6月4日 19時) (レス) id: b23e9ed6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひやつ | 作成日時:2023年3月3日 21時