借金のカタに結婚 #とは

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「三日月さん、ご飯できましたよ 」

かちゃ、とドアを開けて、眠っている三日月さんの体を揺すった。

「起きてください、冷めちゃいますよー 」
「まだ寝たいぃ……」
「寝たいじゃないです。婚姻届出しに行くんでしょう？」
「……わかった 」

むく、と起き上がった。

「着替えてから行く。Aもさっさと着替えてこい 」
「はい、わかりました 」

自分の部屋に行って、クローゼットを開いた。今日はスカートを履こう。

＋

トースターがなかったからパンをフライパンで焼いて、シュガーバターをかけた。あとはベーコンエッグとサラダ、プレーンオムレツ。レシピはお母さんから教えてもらったものだ。

「三日月さん、そっち座ってください 」

こと、と三日月さんの前にプレートを置いた。うまくできた気がする。

私も三日月さんの前に座って、さくりとパンをかじった。

「そういえば、私の親の承諾のサインはどうするんですか？」
「その辺りについては心配するな。ちゃんと準備はしてある 」
「わかりました 」

どんな準備かは知らないけど、なんとなく大丈夫な気がして、ぱくりとベーコンを口に運んだ。

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