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無機物 133 ページ44

しばらくすると、ゴンが島の中を案内してあげると言い出した。

最初は断っていたが、キルアにも誘われて、仕方なく行くことになった。

ゴン「ミトさん!キルアとAに、島の中を案内してくるね!」

そう言って、早々に走り出したゴンに続くと、後ろからミトさんの声が飛んできた。

ミト「遅くなるんでしょ?お弁当作ろうか?」

ゴン「いいよー!森でなんか取って食べるから!!」

「野生児め」

小さくそう呟いた私に、ゴンは満面の笑みを浮かべた。

それからはもうただの探検だった。

案内ももちろんあったが、この2人は純粋に遊びたかっただけなんだろう。

途中私も巻き込まれたが、それなりに楽しく島を見回ることができたかもしれない。

森は、珍しい植物や動物がいたり、魚が泳いでいたりした。

うちの森とは比べものにならないくらいこの森は豊かで明るかった。

あっという間に時間は過ぎ、夜になると、私は森の中に入って行った。

この暗闇の中でも、十分に物が見えるようにと言い訳を付けて、森に入った。

私は、人と接することがこの上なく苦手なようだ。


―キルアside―

ゴン「A、大丈夫かな?」

キルア「ほっとけよ。心配してたらキリないぜ」

ゴン「でも、ここら辺夜になると何も見えなくなっちゃうけど・・・」

キルア「姉さんなら見えるよ。小っちゃい頃から何故か好き好んで暗い所に籠ってたし」

ゴン「・・・いっつも思うんだけど、Aの小さい頃ってなんか不思議だね」

真顔でそう言われ、何故か無性に恥ずかしくなった俺は、起き上がって湖を見つめた。

ゴンも起き上がってきて、こう言った。

ゴン「キルア達に何があったのか、俺、全然知らないけど・・・

きっと、辛かったんだろうなって思うんだ」

キルア「そうかな。別に、慣れりゃそんな辛くも悲しくもないぜ」

無駄な意地を張ってそう言っても、あの時の苦しみがじわじわと蘇ってくる。


『お姉ちゃん、待ってよ!ねぇ!!』

『何』


ゴン「キルア。俺の前では、普通にしてていいんだよ。苦しい事があったら、俺に言ってよ!

キルアが悲しんでると、俺も悲しいよ」

キルア「なぁっ!?な、なな何小っ恥ずかしい事言ってんだよ!!バーカ!!」

思わず動揺してそう言ってしまった。

どんだけ素直じゃないんだ俺。

だけど、それさえも自分だと肯定してくれる友達がいる。

キルア「・・・気が向いたらな」

ゴン「えー?なにそれ!」

今は、どうかこのままで。

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サダソ好き - サダソ死んじゃうんだ…!?(新しいッ/失笑)🤣 (11月4日 4時) (レス) @page17 id: a8d7b99445 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゥ(プロフ) - アクアさん» ありがとうございます!頑張ります! (2015年3月7日 20時) (レス) id: fa86efad4c (このIDを非表示/違反報告)
アクア - 面白かったです更新頑張ってください (2015年3月7日 17時) (レス) id: 2a7f5290d4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゥ(プロフ) - ピカチュウ!!さん» そこらへんは自分でもどうしようか迷っているところなんですが← 一応考えてはあるのでこれからも読んでいただけると嬉しいです! (2015年2月11日 21時) (レス) id: 2952b56775 (このIDを非表示/違反報告)
ピカチュウ!!(プロフ) - とても面白かったです。ミルキと片割れじゃないのが気になります。容姿はシルバ寄りだから母親が違うとか?(´`) (2015年2月11日 1時) (レス) id: b4f1c47765 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゥ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年1月30日 18時

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