泣けんじゃん ページ20
貴女side
そっか…私は死んで行った仲間の願いを“祈り”を叶えられてるんだ…
私、ずっと前から仲間の“祈り”を聞いてたじゃないか。
でも、どんなときも
私は泣けなかった。
泣けなかったよ…
悔しいのに悔し涙さえ出ない…
どうして...
三日月「あれ?」
貴女「あっ三日月…眠れないの?」
三日月「いやなんか…いる?」
とポケットから取り出した火星ヤシを一つくれた。
貴女「ありがとう」
三日月「そういうAこそ、どうしたのさ」
貴女「少し、考えごとしてたの」
三日月「考えごと?」
と言い、首を傾げる。
三日月「何考えてたの?」
貴女「あのね三日月。
私…私ね。泣けないの…
葬式のとき祈れなかったの…
分からない…分からないよ...。
今まで裏組織で育てられて、悪いことをするようにずっと命じられてきた。
沢山の人の命を何度も奪った。
仲間が死んだときも泣けなかった。もう慣れちゃったんだ。最低だよね...最悪だよね...」
ぎゅ…
三日月「……」
貴女「ちょっ三日月...!」
三日月は私を優しく抱き締めてくれた。
こんなことされるなんて…思ってなかった。
アトラにはされたことあるけど、異性はリュウくらいにしか…
三日月「今からでも遅くない。祈ればいいよ。泣けばいいよ。」
貴女「今から…?でも…無理だよ…泣けないよ…」
三日月「誰かが通っても俺がこうやって隠しているから、俺の腕のなかで泣きなよ。」
貴女「なにそのセリフ…」
三日月「思ったことを言っただけ…だから泣きなよ。」
貴女「そんなに、優しくしないでよ…」
あれ…胸が痛い…目尻が熱い…
あれ…?
目から何かが…
小さな
貴女「う…うぅ…」
三日月「なんだ…A泣けんじゃん…」
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作者名:美歌 | 作成日時:2016年5月12日 0時