七十捌 ページ29
的場「余程モノノケ庵の主人を慕ってらっしゃるようですね」
『どうして貴方が彼の事を…』
的場「少し調べれば分かる事ですよ。それに祓い屋の中で彼は異形ですから
…成る程貴女は彼に惹かれてらっしゃるのですか」
『ちっ違います！！晴齋とはそんな関係じゃ…
的場「しかし先程(教室)の貴女の顔はただの友人に対する表情では無いように見受けられましたが」！！？』
的場に言われ自分の表情を思い出す
自分はそんなに思い入れをした顔をしていたのだろうか？
それは安倍に対するものであっただろうか？
思考を巡らせると安倍にキスをされた時のことを思い出しポンと顔を赤らめた
的場「…気に入りませんね、貴女にそこまで大切にされている彼が…いっそ
壊してしまいましょうか」
『やめて！！………彼に……私の大切な友人達に酷いことしないで…お願い…』
焦ったかと思えば、悲痛の表情で懇願するAに的場は蔑むように笑う
的場「フフフ…では私と共に来て下さいますか。そうすれば君の大切な人達には手を出しません
私は…Aさん、貴女が欲しい」
クイっと顎を持ち上げられ目線を合わせれば潤んでいるAの瞳に的場の顔が映る
段々近づいてくる的場に必死で抵抗すれば後頭部をホールドされ動くことが出来ない
『(嫌だ…彼以外としたくない)っ！今なんで…』
Aの驚愕した表情と呟きを疑問に思いつつ互いの唇が触れる寸前で突如亀裂の入る音が響く
そちらを向けば亀裂から光が差し込み人影が見える
逆光で顔は分からないが的場はAから少し離れ声をかけた
的場「おや名取、随分早かったですね。今丁度良い所…！！」
パリーンとガラスの割れる音と共に水の溢れたが音が聞こえた
薄暗い景色を見渡せば少し離れた先に粉々になったビンジュースが転がっている
投げた当人は舌打ちをしながらズカズカと近寄ってくる
それは
『は…る…齋』
紛れもなく助けを望んでいた人だった
安倍「A大丈…夫じゃねぇな
的場殿覚悟はできてますよね」
今にも泣き出してしまいそうなAの表情に乱れた着物、胸元には赤い花が咲いており、その全てが安倍の逆鱗に触れる
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シェリー(プロフ) - 五月七日さん» 感想ありがとうございます。コメント頂いた時とても嬉しかったです。これからも皆さんに面白いと言ってもらえる様な作品を目指し頑張ります。応援本当にありがとうございます (2018年10月11日 20時) (
レス) id: 23389edd7f (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 好きです！凄く好きです！凄く面白いし応援してます！更新待ってます！ (2018年10月11日 14時) (レス) id: dbeede1e64 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シェリー | 作成日時：2018年8月29日 7時
