君が私の名を呼ぶから

拾陸 ページ17

倒れたAを見てモロハはニヤリと微笑む



モロハ「名は返された、友人帳をおよこしー！」


芦屋/安倍「え/は！」


倒れているA目掛けて尖った爪を突き立てようとするモロハ


モロハとレイコの記憶を見ているのか
Aは目を覚まさない


間に合わないと走り出す2人だが
Aの前にニャンコ先生が飛び乗る



先生「悪いな、これは私のだ
帰るがいい」

先生の体から閃光が走り妖は何処かへ飛んで行ってしまった


驚きピタリと足を止める安倍に対し、急には止まれなかった芦屋は安倍に体当たりをしてしまう
反動で安倍は前に倒れ込んでしまった


Aを押し倒すように



芦屋「すみません安倍さん！
って！安倍さん！何て破廉恥な！！///」


ゆっくりと体を起こす安倍

背中からでも分かるくらい怒っていた


安倍「あーしーやーくーんー？」


芦屋「ひひぃぃ！妖怪より怖い！！」


安倍の低い声にAはガバッと体を起こす
すると頭に衝撃が走った


『あたっ！？』


振り向くとAの頭の上に安倍の顔がある


どうやらいきなり起きた事で安倍の顔に頭をぶつけてしまった様だ


『安倍さん！わ！血が出てる
ご、ごめんなさい』


芦屋を怒ることに気を取られAが起きた事に気付かず頭がぶつかった衝撃で安倍は唇を噛んでしまったようで、口角より血が流れている


『きゅ…救急セット！』


顔面蒼白になり押入れから救急セットを取り出した


慣れた手つきで安倍の傷を消毒をして、絆創膏を貼る


芦屋/安倍「「(なんか慣れてる？)」」



Aが変に絆創膏が似合うと思ってしまったのは内緒だ


『本当昨日からすみません』


深々と頭を下げ土下座するA

安倍「こちらこそ。了承も取らず勝手に部屋に入ってしまい。
この怪我は全部コイツ(芦屋)の所為ですので気にしないで下さい」


先生「変に絆創膏が似合うな安倍の小僧」


『コラ先生！失礼でしょ！』


芦屋「て言うかニャンコ先生って本当に用心棒だったんだ！すごいね！」


先生「だからそう言っているであろう！
A！この礼は高いぞ！」


『さっきお饅頭たらふく食べてたでしょ
2人はお茶でも大丈夫ですか？』



立ち上がろうとすると芦屋が大声を出す

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