君が私の名を呼ぶから (ページ47)

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四十陸ページ47

斑と立法の間にAは静止する様に手を広げて立っていた

『先生落ち着いて！先生がこの人傷つけちゃったら先生が隠世に行った時…大変な事になっちゃうよ』

先生「どけA！私は隠世なんぞ行かんぞ」
『私が死んだら…先生独りぼっちだよ
私は先生に楽しく過ごして…ほしいな
それに、レイコさんのした事の償いをする覚悟ならとっくに出来てるから大丈夫だよ』

冷や汗を流し痛みに耐えながら話すAに先生は舌打ちをして猫の姿に戻った

先生「Aに免じて手は出さん
全くドのついた阿呆だなお前も」

苦笑いをすると体の痛みが消えた事に気がつき
立法の方を振り返るとキセルを咥えていた

『どうして？』

立法「私は行政の様に何かを痛めつけるのはあまり好きではないんだ
それにあの状況でも君は妖怪の事を考えていた
私の負けだよ。友人帳は君が持っていた方がいいだろうしね
それに」

Aの手を引き腕の中に収める立法
Aは頬を赤らめ驚いていた

立法「君は心がとても綺麗だ
ねぇ君さえよかったらウチの奉公人ならないかい？」

腕の中にいるAの髪を弄りながら笑顔で問う立法
Aは立法を数秒見つめ静かに目を閉じた

『お誘いは嬉しいんですが、私は名を返して貰うのを待っている妖達の事で頭も手もいっぱいです
ニャンコ先生や他の妖達も手伝ってくれてます
なので今はその事だけを考えたいんです』

真っ直ぐ迷いのない目に立法と、安倍は微笑み、先生は目を逸らして芦屋の肩に乗る

芦屋「うわぁ！先生重！照れ隠しに俺の所くるのはいいけど腕取れる！！
Aいつも載せててキツくないの！？」

『慣れかな？でも確かに先生最近太ったよね』

先生「何を！？太ったのではない！本来の姿の毛が伸びて重たくなったのだ！」

『この前体重計乗って驚いてたじゃん！というか立法さん恥ずかしいので離して下さい！』
立法「ええーやぁだ」
安倍「離れろ立法！」

無理やりAを引っ張り出す安倍
立法は代わりにシズクを呼んだが、コウラの側が良いとやんわり断られたショックを受けていた

立法「さて、気を取り直して飲もうか！
いい酒と肴があるんだよ」

どこに隠していたのか分からないくらい酒瓶と料理が出てくる

そのまま宴会が始まったのであった