君が私の名を呼ぶから

拾捌 ページ19

そこから芦屋の提案でAの住んでいる街を案内する事になった


少し歩くと誰かがAを呼ぶ声が聞こえた


『多軌！』

多軌「！猫ちゃん！
可愛いー！フカフカー！」


Aの肩に乗っているニャンコ先生を抱きしめ頬を寄せている多軌に若干引くような目をする安倍と芦屋


『多軌はニャンコ先生のファンらしいの』


ひとしきりフカフカを堪能すると多軌は安倍達に目線を向けた


多軌「ちょ！Aちゃん！田沼君と名取さんが居ながら浮気！？」

『？…何故そうなる？
多軌紹介するよ。祓い屋の安倍晴齋さんと芦屋花繪
昨日知り合ったんだ
で、こっちが私と同じ学校で陰陽師の末裔の多軌透。多軌は陣の中に入った妖を見る事が出来るんです』


芦屋「お！陰陽師の末裔！？すごい！！」


目をキラキラ輝かせ興奮する芦屋に対し無表情でよろしくと返事する安倍

多軌は人懐っこい笑顔でよろしくと返事をした



『どうしたの多軌？買い物？』


多軌「ううん、実はAちゃんに相談したい事があったんだけど…」
『！！妖！？』


多軌「違うよ！もぅ！すぐに妖だって思うんだから
今日神社でお祭りあるんだけど、一緒に行かない？
田沼君達とか誘って
よかったら2人もどうですか？」


芦屋はチラリと安倍を見る

安倍は溜息を吐き いいんじゃね とだけ返した


多軌「決まり！ね！一緒に行こうよ！
浴衣着てさ！」


『お祭りはいいけど…浴衣は……』

多軌「あれ？Aちゃん持ってたよね？藍色の綺麗な浴衣」


『うーん…アレは妖(ヒノエ)のなんだ
それに着付け分からないし』


困った顔で返事をすると、多軌は目を輝かせた


多軌「大丈夫！私の家いっぱい浴衣あるし！
着付けなら出来るから！ね！」


多軌はAに詰め寄る
Aは渋々了承した



多軌「なら17時にうちに来てねー！
田沼君達には連絡しとくから！」


と、手を振り走って帰っていく多軌に3人は手を振り見送る



『な、なんかごめんなさい…』


芦屋「なんで！全然いいよお祭り楽しみ！！」






それから時間まで2人に町の案内をした

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