29話 ページ32
「一緒に、歌わない？」
『……えっ？』
不安げに揺れる瞳。
緊張しているのかスカートの裾を握りしめている。
どうしてそこまで？
『良い……けど、私そんなに上手くないよ？あんまり練習にはならないと思うけど……』
「ううん、私がAと一緒に歌ってみたいの。」
『そ、そっか…へへ』
今まであんまりそういうこと言われなかったから少し嬉しいかも。
「曲、これで良い？」
『うん、大丈夫だよ。』
「じゃあ…いくよ。」
先に歌い始めた寧々ちゃんに合わせて私も歌い始める。
「ーーーー、ーー♪」
『ーー♪ーーーー♪』
寧々ちゃんの歌声、本当に綺麗……
それにそんな寧々ちゃんと一緒に歌うのって鳥肌が立つぐらい、血が沸き立つような感覚になるくらい興奮して…
すごく、楽しい！！！！
自然と口角が上がって歌うことに熱中してしまう。
歌うのってこんなに楽しかったっけ。
歌を歌うことは別に嫌いじゃない。
むしろ好きな方だと思う。
でも、ここまで楽しかっただなんて。
みんなと出会ったあの日から新しい発見ばかりで、もう1年過ごしたような錯覚をするほど濃密な日々だ。
『っはぁ……』
歌い切ったときの達成感に少し浸っていると
寧々ちゃんが少し興奮したような顔をして手を握ってくる。
『ねっ、寧々ちゃん？』
「す、すごかった！
すごい、すごい楽しかった！！」
『っ！！』
寧々ちゃんも、そう思ってくれたんだ。
『うん、私も！！』
そう言って2人で少し笑う。
「すっ、すごいすごーーい！！
あたし感動してちょっとぼーっとしちゃった！！
2人ともキラキラー！ってしてて、パァァッ！ってなった！！」
えむちゃんがたたっ、と駆けてきて身振り手振りで想いを伝えようとしてくれる。
「わたしも、びっくりした。
すごい歌いやすかったよ。」
『えへ、寧々ちゃんにそう言ってもらえるだなんて嬉しいなぁ』
「これは……想像以上だな」
「そんなに歌が上手いだなんて知らなかったぞ。」
『な、なんでだろ。
でも本当に私個人は歌普通だよ。
カラオケの得点も普通だし、音楽の授業のときも特に先生に反応されないし……』
なんかみんな褒めてくれるけど歌が得意でも不得意でもないのは本当だ。
30話→←衝撃(最後の方は少し読んでいただいた方が良いかもしれません)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 165人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかんパフェ(プロフ) - きな粉餅さん» コメントありがとうございます〜！！了解しました！変換出来るようやってみます！ (2021年6月3日 23時) (
レス) id: f66b04a688 (このIDを非表示/違反報告)
きな粉餅(プロフ) - 出来れば弟君の名前変換出来るようにしてほしいです.....あっ続編も全部読みました！好きです！ (2021年6月3日 21時) (レス) id: 2f74b3d2f0 (このIDを非表示/違反報告)
みかんパフェ(プロフ) - ゆあさん» そう言ってくださって嬉しいです！！続編出来ましたのでぜひ！！ お気に入り登録までありがとうございます！これからも精一杯頑張ります！！ (2021年4月1日 17時) (レス) id: f66b04a688 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 続編楽しみにしてます！お気に入り登録もしますね！！ (2021年4月1日 16時) (レス) id: 5acf3927f5 (このIDを非表示/違反報告)
みかんパフェ(プロフ) - 志乃の小部屋さん» ありがとうございます！！ 本当にめちゃくちゃ分かります！！これからも司くんの魅力を少しでも届けられたら、と思います！これからも精一杯頑張りますね！ (2021年4月1日 15時) (レス) id: f66b04a688 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかんパフェ | 作成日時：2021年3月20日 11時
