白血病（翔） ページ4
風間side
「念の為モニター付けましょうか」
抗がん剤を投与し始めて半日。
血圧も少し下がり始めていて今後の事を考えてモニターを付けた。
低いな...
表示された血圧は翔先輩から事前に聞いていた血圧よりうんと低い。
元々あった貧血が手伝ったせいで心臓がバクバクしている。
「痒いとか...あっ、無いです？」
これでアレルギーまで出たら辛すぎるなって思ったらどうやら無いみたい。
夕飯のご飯はまったく食べれない状態だったらしくて...
本当は少しでも体力温存する為に食べてほしい。
でも、どの患者さんも吐き気とかが苦しくて食べてくれない事が多い。
一応カテーテルじゃなくて腕の点滴から吐き止めも投与しているけど吐き気がゼロにはならない。
翔「...ん...な...辛い...だな」
点滴の調節をしていたら先輩がそう言い出して微笑んだ。
「...いくら勉強していても...いざ、自分が患者になって分かる事ってありますよね」
莫大な医学知識があっても副作用とか病気になった時の気持ちは勉強では補えない。
いくら『大丈夫ですよ』とか『治りますから』って言ってもそんな言葉はただの便利な言葉。
だからいくら寄り添う医療になっても、それだけはどうする事も出来ない。
翔「い...い、経験...だな」
「ふふ、そうですね。良い経験って思えば...たしかに」
自分が辛い状況でもこうやってポジティブに考えられる翔先輩はさすがだな。
未来の患者さんの為に...
「もし、吐き気とかが強くなったりしたら鳴らしてください。薬も追加出来ますので...」
翔「ん...ありがとう...な」
＊
智side
治療を始めて1週間。
ベッド上からまったく動けない状態になり尿カテーテルを付けることに。
「あー、ほら、開けて？そうそう」
口内炎もかなりの数が出来ていて僅かな力を使って抵抗してくる(笑)
雅紀「俺抑えとくからさ、お願い」
嫌だ嫌だって顔や手を動かすから雅紀に仕方なく顔と手の固定をお願いした。
口内炎が痛いからご飯も食べれないから胃チューブも挿入されている。
全身チューブやカテーテルだらけの姿を見ると
翔に何て言葉を言ったらいいのかって。
何とか薬を塗り終えて雅紀が手のマッサージをし始めた。
手足の痺れの副作用も出てきているんだって。
そっと手を触ると手先が冷たくて、手を握り返されることは無い。
雅紀「もう翔兄〜、治療終わったらさ走りに行こ？いい所見つけたんだ」
今は雅紀のその優しさに病室が明るくなるんだ。
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tuna - お返事ありがとうございます。このシリーズ大好きなので楽しみにしています。兄弟妹愛のある絆作品楽しみです。 (2021年2月19日 23時) (
レス) id: 96f8b2d001 (このIDを非表示/違反報告)
Lima(プロフ) - tunaさん» tunaさま、ご感想･ご意見ありがとうございます。妹ちゃんににつきまして申し訳ございませんでした。今後お話にご意見を反映させて頂きます。今後もよろしくお願いします。 (2021年2月19日 20時) (レス) id: 40e4df6e73 (このIDを非表示/違反報告)
tuna - とても面白かったです。知らない病気等が知れました。が、お兄ちゃん達が大変なのに妹ちゃんが出てこなくて切なくなりました。妹は部外者みたいに感じました。 (2021年2月19日 18時) (レス) id: 96f8b2d001 (このIDを非表示/違反報告)
琴子(プロフ) - Limaさん» お返事ありがとうございます！こちらこそありがとうございました。沢山叶えて頂きましたね(*´▽｀*) 最後まで楽しんで読ませて頂きますね(^^) (2020年9月6日 23時) (レス) id: 6d94367748 (このIDを非表示/違反報告)
Lima(プロフ) - 常夏さん» 常夏さま、そういった存在の小説になることが出来てとても感激です....！これからも楽しんで頂ければ幸いです。 (2020年9月5日 12時) (レス) id: 8c2f3cec2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年4月16日 21時
