四男の壊れた心 ページ37
長瀬先生side
「ここ、痛いだろ。ん？」
そっと太ももに触れる。
和くんの心が落ち着いてきたタイミングで聞いてみる。
見たわけじゃないし、推測でしかないけどこれは自傷行為しているなって。
痛みが次第に心を安定にさせた...
和「ん...いたい、て、いいよ？」
「いいの？」
予想通りしていた。
見てもいいよ？なんて言うから確認として見せてもらった。
ズボンを下ろした瞬間見えた変色した跡。
随分長い間していたな、これは。
すぐに状況判断してズボンを履いてもらった。
智と翔はリビングに。
『兄に言いたくない事もあると思います』って。
あとで説明として聞いた事を言うけどね。
和「...嫌なこと、されたの」
「嫌なこと？」
世間話をしていたらポツポツと話し出した。
自分の身にこんな事があった、あんなことされた...
次々出てくる言葉に自分の顔が険しくなるのを実感。
「一緒に呼吸しようか」
話しながらも怪しい呼吸をしていたけど、話を終えても呼吸は安定しなかった。
和「はぁ...はぁ...んっ...んん」
背中を擦りながら顔を振り向いてリビングの方に視線を送る。
翔「...投与しますか？」
そっと小声で言われた言葉に頷く。
このまま寝させる。
寝れてはいたみたいなんだけど魘されていたらしくて。
少し薬の力を使ってゆっくり眠らせたいなと。
「和くん？今から翔が苦しいの治してくれるって。一緒に頑張ろうな」
うんうんと必死に頷く姿を見るのは辛い。
話を聞けば聞くほど和くんをここまで追い詰めた人に怒りを覚える。
翔「かず...おやすみ」
翔が肩に注射してくれたおかげで次第にリラックスした状況になり深い寝息が聞こえてきた。
「智も呼んでもらっていい？」
これからについて。
どうしていくのがベストか。
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
