四男の壊れた心 ページ36
翔side
和「ぎゃー！」
智「だいじょうぶ...大丈夫」
起きてからと和の様子はかなり変化があった。
俺を見るなり悲鳴と全身の震え。
やだやだと手で顔を隠してしまう。
智「翔だよ？ほら、翔兄」
智兄が和に人別出来るように声掛けをして認識させる。
和「はぁ...はぁ..っ...しょ...い...」
手で隠されていた顔が見えてそう言った。
「ん...そうだよ」
その手をぎゅっと握る。
悲鳴の疲労と心の気持ちが落ち着いていなくて息遣いが響く。
しばらくしたら俺の事も認識してきて反応するんだけど...
何かある度にこうやって悲鳴や暴れる。
それほど和の心に負担があったってことを痛感する。
正直今の状況だと自宅で見れるのか無いのか...
智兄が連絡取ってくれて明日長瀬先生が来てくれるみたいだからそれ次第かな。
入院レベルなら精一杯サポートするし在宅なら覚悟している。
果たしてどうなることか...
＊
長瀬先生side
智から連絡が来て様子を見て欲しいと。
来て欲しいとお願いされるほど今の和くんが病院に来れる状況では無いということを察する。
智「先生の事認識が出来たら良いんですが...」
家族のことさえ認識出来ない時もあるって。
「久しぶり、和くん」
自室から和室に移動したんですって話を聞きながら枕元に座る。
俺を見て目を真ん丸にする和くん。
『なんでいるの？』って表情(笑)
「おっ、どうしたー？」
いきなり両手を布団から出して顔を強ばらせ泣き出してしまった。
求められた通りにその腕を受け取り抱き締める。
まだまだ気持ちの波が激しいみたいだ。
こうやって抱き締めると幼い頃を思い出す。
こうやって甘えてきたっけ。
「いっぱい頑張ったんだもんな？良く頑張った。お疲れさま」
和「...んふふ...」
泣きながらも笑い声がするのを見ると安心する。
酷い時だと無反応で人形のように動かないし喋らない。
まだ少し気持ちはあるみたいだからこのまま悪くならないようにしないとね。
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
