医者と病院きらいの妹part18 (ページ28)

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翔兄を庇う潤ページ28

先輩side

予想以上に複雑な状況で思わず焦る。

なんとか手術を再開出来る数値には戻ってきたが不安定。

「なるべく早くやろう」

翔「はい！」

破裂した膿を吸引しながら進めていく。

その作業をしながら良く頑張ったなって。

発見があと少し遅かったら本当に助からなかった。

今の状況でもかなり悪いから、恐らく昨日、昨夜ぐらいから自覚はあったはず。

でも、隠して隠してここまでなるのはこの兄弟らしいなと感じる。

翔くんが色々話してくれてこうなった経緯を聞いたけど兄ちゃん守りたかっただろうなぁ...って。

翔「すみません、ありがとうございます...」

かなり汗が出ていたからかオペナースに汗を拭かれる翔くん。

「無理しなくてもいいよ？」

翔「大丈夫です、すみません」

緊張からか珍しく焦りが出ている。

まさかね、弟がこうなるなんて予測出来なかっただろうし。

怖いなぁ、目覚めたら説教されるんだろうな(笑)

度を越したらさすがに俺も止めるけど(笑)

＊

和side

「おかえり潤...」

バタバタ劇から数時間。

看護師に呼ばれてICUに。

翔「明日ぐらいまでは挿管したままにするつもり」

熱はまだあるけどとりあえずは安定しているからと報告されて安心した。

手術中にトラブルがあって数値が安全圏になるまではっていう意味で挿管だって。

翔「ほんと、バカ」

はぁぁと大きなため息をする翔兄。

翔「まじで心臓に悪いわ」

呆れた表情をしながら潤の手を握っている。

「翔兄を守りたかったんだよ。そうじゃなかったらこうやってさ、ねぇ？」

誰かが苦しむぐらいなら、自分が苦しみたいって思っていたはず。

でも...今回はちょっとビビったけどね(笑)

今回の事について翔兄は相当怒っているみたい。

こわいな目覚めたら大変な事にならないといいけど。