生きるって（潤） ページ3
藍沢side
状況には聞いていたが...
現場に到着すると自分の身長倍ある車両が横転していた。
10両編成のうちの前5両が完全に脱線し、6両目以降は脱線と横転。
話によるとまだどのくらいの数がいるか分からないと言われた。
その話に背筋が凍る。
いくら医者が沢山いるって言っても救える数には限界がある。
救う数より黒タグが多いのも現実。
ヘリでは来たがどのくらい往復するか...
考えてもキリがない。
ドクターバックを片手に救出された患者の元に行く。
テントには人が溢れかえっていて、入りきれないのは外にレジャーシートを敷いて処置。
明らかに数に対する場所が足りない。
怪我人の処置をしながら色々。
消「先生！こちらにお願いします！」
消防隊の後ろに冴島と一緒について行く。
どうやらグリーン車辺りから発見されたとか。
救出が間に合っていないからその間にできる限りの処置を...と説明された。
案内された車両。
安全確認されたと言われても怖いものは怖い。
いや、仕事柄それを思ったら失格...
入口だったであろうところから入って中へ。
「気をつけろ」
冴島「はい...！」
足場にお互い気をつける。
「分かりますー？」
座席と座席の間に挟まっている男性。
かなりの数の座席があって救出に時間が掛かっているらしい。
声に反応しない。
挿管をしたいが体制的に無理である。
バックバルブマスクを口元に当て換気を消防隊にしてもらう。
目視出来る範囲では腰からの出血が酷い。
折れている可能性が高い。
今は押し潰されているがこれが救出されたらさらに出血が増える可能性がある。
そうなると迅速に治療をする必要がある。
冴島から針を受け取り腕に挿入し輸液をする。
早めに救出しなければもって1時間...
救出して、搬送出来ても夜までもつか。
消防隊の動きを確認しながらもただ時間が経過していく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1500人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
