和と雅紀の隠し事 ページ19
和side
雅兄にあんな事言っといて自分も体調悪いなんて言えない。
インフルがクソ流行っている時期に体調不良なんて疑惑でしかないけどインフルではない...はず。
熱っぽさがあって解熱剤を飲んで効いたのか身体のダルさはない。
ある程度時間経過してから隙を狙って体温測ったけど異常なし。
まぁ、今は自分の事より雅兄の方が心配。
いつもの活気とした元気も空回りだし。
たまに見せる辛そうな表情も見えたり...
だからといって帰ってって俺が言えるはずもなくて。
「ほら、帰るよ」
退勤し、ロッカーで着替える前にロッカーのソファーに寝転んでしまった雅兄。
ユニフォーム着たままだし、マスクも...
触れた肩から伝わる熱さ。
無理させすぎた...
雅紀「..ん....だい.... じょうぶだから...っ」
俺が申し訳ない表情をしていたからかそう言われた。
息は上がっているし、呼吸も苦しそう。
家に帰ってもいくらなんでも隠せない。
ある人に連絡する為にスマホの画面をスクロールした。
＊
翔side
「おいおい...」
和から連絡が来てロッカーに来たらまさかの状況。
ユニフォームを着てマスクのまま。
「あー、ほらこっち向いて」
俺が来た途端手で顔を隠しやがった(笑)
その手から伝わる熱さ。
体温を測る為に耳に差し込んだ。
とりあえず俺が帰るまで救急で休ませるか。
こんな熱じゃ、辛いだろうから点滴やろう。
和「げっ、やばいじゃんどうするの？」
体温計が音を慣らして画面を見ると38.5度。
珍しいなこんな高熱。
「少し休んで、念の為インフルの検査するわ」
雅紀「...帰る」
「あのさ...雅紀なぁ」
言葉に反論する雅紀。
頑固が出るんだわこういうの。
「休憩してさ、家でゆっくりした方が良いだろ？良くなったら出勤していいからさ」
明日も仕事あるらしくてさ。
仕事いく条件無いとしんどいだろうし。
雅紀「...ん」
手を退けてようやく表情が見えた。
「和は...帰る？」
和「いても文句言われそうだから帰るわ」
呆れた表情でそう言った。
「ん、了解。もしなんかあったら連絡するから」
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作者名：Lima
| 作成日時：2020年1月1日 1時
