音と苦しさ ページ27
智side
翔「っしょ....」
雅紀「腰痛めないでね翔兄(笑)」
翔が寝ているAを背負う。
そっと手を添える雅紀。
昔は軽々だったけど自分達も歳を取ったんだなぁ...としみじみ。
「あっ、潤！」
処置室を出たら廊下でばったり潤に遭遇。
和も仕事終わったし、潤も遭遇出来たし無事にみんなそろった。
歩きながら職員専用のエレベーターへ向かう。
和「下に着いたら先に車行ってて？俺薬取ってくるから。」
「ん、了解。」
そんな会話をしていたらエレベーターが到着し中へ。
潤「症状的には厳しい...感じ？」
翔「どうだろ...上手く薬が効いてくれれば数日で学校にも行けそうって感じ。」
これ以上悪化しなければ良いけどって暗い表情をする翔。
翔も喘息持ちだから色々重なる部分もあるんだろう。
雅紀「....？なんで？」
職員専用だからか上手く人も乗ってこなくてスムーズに1階まで降りられるはずだった。
エレベーターの動きが止まり扉が開くと思ったら空く気配がない。
カチカチと雅紀が開ボタンを押しても変わらず。
「...大丈夫、落ち着いて？」
そっとその手を抑える。
こういう時って非常ボタンだっけ。
「あっ....あの....」
ここでパニックなったらダメ。
外部のコールセンターに繋がり閉じ込められた事を伝え、指示に従う。
翔「まじか...」
どうやらかなり大きな地震があったらしくてこの辺り全体のエレベーターが止まっていると言われた。
止まっている数が多数だから技術者が来るまで動かないって。
それがどのくらいの時間なのかは分からないと。
＊
和side
流れる時。
スマホも繋がらないから何も情報が得られない。
こういう時に限って持ち運びWi-Fiを家に忘れるという失態。
ダメだなぁ。
翔兄にひたすら負担を掛けるのも良くないから、座ってAを俺の腕に治める。
いつ発作が起きてもおかしくない状況だからなるべく早めに開いたら良いけど。
おまけに不整脈も出てきているから余計に不安も。
これ以上負担を掛けたら入院するしかないからどうしてもそれは控えたい。
手首に触れ脈拍を測る。
速い。
薬の副作用なのか、はたまた...
速すぎと心臓に負担掛かって、心臓の動きが悪くなってしまう。
心不全からの心停止とか。
こんな小さい身体でそれだけは避けたくてギュッとさらに腕に力が入る。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年9月28日 23時
