栄光と批判 （翔）リク ページ20
翔side
”救命救急センター副部長”
その肩書きが記入された名札を部長から頂く。
部「これからよろしくね。」
「はい...！」
部長に一礼して部屋から出る。
なんだか重く感じる。
この役職の話を頂いたのは2つ季節前ぐらい。
俺が頭の怪我をした時ぐらいから話には出ていたらしくて...
でも俺が怪我したから回復するまで保留だったんだって。
で、今に至る。
他にも同僚いたけど俺1人。
それが嬉しいと同時に葛藤も。
もう先輩にもいつまでも甘えてられない。
これからは逆に自分が指導する立場だと思ったら気が締まる思い。
って...
この頃はそう思っていたんだ。
一歩進んで一歩戻る。
俺が何か挑戦する度に起きる障害。
・
『はぁ〜お前は部長に気に入られていいよなぁ〜』
「はぁ？意味わかんないだけど。」
搬送が少し落ち着いて電カルをいじっている時に同僚に言われた一言。
『だってさ、部長俺に当たり強いんだよ？お前そんなことないだろ？』
遠回しに気に入りられているから副部長になれたんだって言われているような気も。
お気に入りか。
実力だと思っていたけど世間から見ればそうじゃないように見える...
「...」
その言葉に言い返しを出来なかった。
△『だってそれ翔先生が出した指示でしょ？
はぁ...副部長に就任してからなんか...』
それからと頻繁にスタッフが色々言っているのを聞くようになった。
まるで俺がここに存在していないから言っているように。
ギュッと名札を掴む。
「...なんで...」
ずっと救命救急センターを背負う人になりたいって学生の頃から思っていた。
ようやく夢が叶ったのに。
世の中そんな甘くないんだ....
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年9月28日 23時
