酷い便秘（雅紀） ページ17
智side
このまま寝かせてあげたい。
でもそうもいかなくて...
「まさ？...まさき？」
翔と目を合わして雅紀の肩を叩く。
雅紀「...にぃ...」
顔色も良いし、大丈夫そう。
「あのね...」
すぐに嫌な話だと勘づいたのか聞きたくないって耳を塞いでしまった。
雅紀「や...帰るもん、帰る...」
翔「雅紀？智兄の話いい子に聞いて帰ろうなぁ？んで、一緒に寝ようか。」
イヤイヤと僕から顔を背けてしまった顔を自分の方に向けて、手で固定して意識をそっちに向かせた翔。
「実はね＿」
自分も翔側の方に移ってこれからする事の説明をする。
雅紀「んっ...んっ...」
全ての話を話し終わったら頬に流れる涙。
まさかチューブを入れると思っていなかったのか、その話を話始めた途端ポロポロと。
その姿を見て自分も想うことも。
「...頑張ろうね、治ったら唐揚げ作ってあげるからね。」
翔「だね。早く食べられるように治療しような。」
その言葉に雅紀も頷き微笑んだ。
＊
翔side
「あー、待ってそんな下がんないでよ(笑)」
智兄が準備終わっていざ始めようと思ったら、ズルズルと体勢を崩す雅紀。
まぁ、お腹以外は体調良いわけで...
少しリクライニングをしたベッドで処置をする。
「ほら、いい子にするんでしょ？」
やる前に雅紀が『これやったら良い子？』って聞いてきた。
ウルウルとした目で見つめられたらね...
その言葉を聞いたら素直に体勢を元にしてくれた。
智「はーい、じゃやるねぇ。」
長い細いチューブを見ると俺でも身体が竦む。
チューブにゼリー状の麻酔は付けているけどそんなの気休め程度。
鼻から入れて胃までチューブを流す。
智兄が鼻に器用にチューブをクルクルと手先で回しながら入れていく。
智「ゴックンって...そうそう。」
雅紀が手を出さないように俺は抑えながらその様子を見る。
本人は見たくないって目を瞑っている。
雅紀「っ...ん...」
違和感からか唸り声と共に再び涙。
でも始まってから身体を動かさないで必死に耐えている。
それが嬉しいと共に不安も感じる。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年9月28日 23時
