脳に腫瘍（和） ページ2
翔side
次の日。
和を車椅子に乗せてみんなで会議室へ。
今は薬が良く効いて痛みも無いって。
和「...俺、しぬんですか...」
液晶に表示された画像を見てそう言った。
先生「僕は和くんの力を信じている...一緒に頑張ろう、ね。」
不安そうに目が泳ぐ和。
目が覚めたら病室でしばらく入院って聞いて、そして今この状況。
情報量が多すぎる。
死ぬか、生きるか。
先生は断言しなかった。
余計に不安を煽ってしまうから...
雅紀があの時言ったんだ。
『絶望させるくらいならあとで僕達から言います』
実はその時に簡略的に腫瘍の話を聞いていた。
それは潤も智兄も知っている。
腫瘍の場所があまり良くない場所。
血管が多く手術をすると大変な手術になると。
先生「数週間内に手術が必要なんだ。これ以上大きくなったら手術が出来なくなってしまう。」
和の場合は深刻な状況だった。
頭痛が出るまで症状の自覚が無かったから...
これ以上大きくなったら薬で規定の小ささまで、小さくして手術ってなる。
それはしばらく家に帰れなくて、長期戦ってことだった。
それは先生も避けてあげたいし、俺達も。
でも今の状況でもかなり...
しばらく家には帰れない。
色々な症状が出るのも時間の問題だった。
自分も暗い表情になってしまう。
和「先生、よろしくお願いします。」
ペコりと頭を下げ、自分達も後についだ。
俺よりよっぽど和の方が強い。
＊
NOside
智「良く寝るねぇ...」
そっと和の頬を撫でる智。
手術までの日は体調を整える日々。
薬の副作用が強く出やすい和は1日の大半を寝て過ごしていた。
その眠気は強く耐えられないほど。
その為食事が出来なくて点滴から栄養剤が投与されている。
顔色は青白い。
和自身は日が経過していく度に自分の体調が悪化していくことを実感していた。
薬の効果が切れれば頭が痛くなり、薬が投与されれば1日眠ってしまう。
智「おはよ、よく寝たね。」
薄らと目が開く。
キョロキョロと目線を動かす。
和「もう...よる...」
部屋に自然の光が見えないことで悟った。
目が覚めるのは大抵夜。
あっという間に1日が終わっていた。
智「体調はどう？今日は熱無いみたいだよ。」
良く高熱を出す和。
それはストレスだと言われている。
高熱がある日はいつも以上にスタッフも監視が強くなる。
和「良かった、ん...」
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年9月28日 23時
