発作の脅威（翔）12 ページ8
松岡side
本格的にリハビリをすることに。
両足麻痺は頭部外傷があった時と違うリハビリ。
足をマッサージしたり、ベッドに寝ながら1時間に繰り返し伸ばしたり曲げたりをくりかえす機械でリハビリといったもの。
主治医の許可が取れたら棒に掴まって歩いたり、階段の昇り降り。
ある程度翔の体力が付いてきたら自転車のこぎ運動といった筋力をつけるリハビリも。
かなりハードのスケジュール。
翔ならいける。
また、今後の事を考えた車椅子の乗り降りの練習も。
「じゃ、始めるな？」
まずは左足から筋肉を解すようにマッサージをする。
かなり硬直してるな...
硬く、浮腫んでいる。
先輩「おっ...やってるね。」
ちょうどこいつも来た。
翔くんおはよなんて挨拶をして、椅子に座った。
脚を曲げて太もももやる。
翔「先生....俺って、なんで生きているんでしょうか...」
先輩「なんでって...」
話し掛けて来なかった翔が口を開いた。
生きているのが辛いんです...
先輩には迷惑掛けるし、職場なんてもう何ヶ月も空けている...と。
当分仕事は出来ないし、兄弟にも自分の手助けをする。
1人じゃ生きていけないんです...
先輩「翔くん...」
そっと翔の手を握っている。
それからと翔は続ける。
翔「目が覚めてやっと自由になれるって思ったら身体中に管があって...元の自分に戻れるのかなって...」
確かに翔は鎖骨から高濃度の糖液が投与されているカテーテルがあり管だらけ...
でもそれは翔か頑張っているからこそあるもの。
生きる気力が無かったら、胃に直接穴を開ける手術をしてチューブといった可能性もあった。
先輩「...この器具外したら翔くんは数分でまた意識無くなって次目を覚ますことは無くて、それこそもうみんなには会えなくなる。
このカテーテルは翔くんが生きていく中で大切なもの。みんなそれぞれの役割があるんだよ？」
翔を刺激しないように人工心臓の役割やカテーテルを触れながら説明している。
翔「で、でも...はぁ...はぁ...んん...」
「翔...？」
何かを発言しようとした時に感じた異変。
すぐにリハビリの手を止める。
先輩「ゆっくり...ゆっくりね。大丈夫...」
落ち着いて呼吸してと胸元を擦るコイツ。
どうやら発作が起きてしまったようだ。
翔に繋がっているモニターも少しずつ数値が下がっている。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
