冷たい心情（翔） ページ41
先輩side
「翔くん...」
一通り処置が終わり経過観察ってことで翔くんがいる処置台の近くに。
まだヒーターに当てられているから手を握ることは出来ない。
モニターが示す体温は33度。
これでも上がったほう。
発見時には30度ギリギリだったらしいから...
低体温症の症状で脈が弱くなったり、呼吸が弱くなったり。
かと思ったら睡眠薬の副作用で脈が速くなったり...
まったく安定しない容体で安心出来ない。
『先生良かったら、ご覧になりますか。』
スタッフが近寄って来て渡された紙。
「あぁ、ありがとう。」
翔くんが持っていたペットボトルの成分表。
"もしかしたら"って事で検査。
ほとんどの場合は何も異常無いんだけど...
「なんだよこれ、」
表示されている薬の名前の数。
ドラッグストアで売っているような薬から医者しか処方出来ない薬まで...
5種類ほど。
ただの飲み物じゃなかったって事？
成分濃度も高いし。
これはかなりの数の錠剤が粉にされて入れられた可能性。
「...警察には？」
『すでに通報しています。今色々捜査されているらしいです。』
スタッフに確認するとそういった返事。
これは翔くんを狙った事件。
もう、病院だけでは対応しきれない...
＊
智side
まさか同じ建物内でこんな事件が発生していたなんて。
それが弟なんて...
情報が錯乱している。
「先輩...」
詳しい話を聞きたいって思って会議室で先輩の事を待っていた。
先輩「今分かっているところだけど...」
冷凍室に...
ペットボトルの成分には...
聞く内容が耳を疑うことばかり。
そして薬が体外に出るまでは昏睡状態になるって。
容体もあまり良くない状況らしく、ICUにしばらくいるという内容だった。
「...そんな」
誰かに意図的に仕組まれた。
先輩「時期に色々なことが判明してくるから...
智くんにも色々話行くと思う。」
事情聴取とかね。
警察が入ってくるとそういう事もあるから。
「大丈夫です。今って行けますか？」
先輩「ん、行けるよ。まだバタバタしていると思うけど...」
ICUにいる翔に会うことに。
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作者名：Lima
| 作成日時：2019年8月24日 23時
