医者と病院きらいの妹part16 (ページ16)

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心のかさぶたページ16

智side

「痛かったね、怖かったね...」

自分の頬を濡らす涙。

翔から来た連絡は衝撃を超えるものだった。

まさか自分の妹が...

Aを襲ったのは連日報道されていたストーカー犯人だった。

犯人は通行人によって捕まえられて、逮捕。

しかし、犯行現場が通行人が多かった場所もあり、犯行現場には報道陣が多数集まり生中継されて放送されている。

翔「...智兄、連絡したの3人には？」

「したよ、潤と雅紀はこれから来るって。和はどうかな...間に合うかなって感じ。」

和は出張で新幹線を乗り継いである病院へ行っている。

終電で帰れたら帰る...いや、何をしても帰るって返事がきた。

翔「今日一日は回復室で様子見て病棟に上げる。」

手術が終わった時点で挿管が外れているから酸素マスク以外はスッキリしている。

翔「Aさ、俺の事見てパニックになったんだ...もしかしたら、心の方の治療も必要かもしれない」

ふふって悲しく微笑む翔。

妹に拒絶されるってかなり辛いはずなんだ。

でもそれを翔は表に出していない。

「あれだけ強く言っても無理なものは無理だしね...」

いくら1人で行動するなって言ってもさ。

今回はタクシーが混んでいたらしくて、それのせいだ！なんて責めはしない。

たまたまAだったわけでもしかしたら他の人だったかもしれない。

だから、大通りに出たのかもって警察が言っていた。

心のケアのほうが傷よりずっと痛いはず。

支えていくからね...

頭を撫でる。

『A！』

暫くして潤と雅紀が到着し、あとは和だけ。

雅紀「一命取り留めてよかったね、ふぅ...」

潤「まぁ、これからがね...」

それぞれが考える。