白と黒と灰色と 7 ページ11
私が落ち着いたのを見て抑えていた手を離す風見さん。
深呼吸を繰り返す私を見て、少しバツの悪そうな顔をした。
「手荒なことをして申し訳ないです。ですが例の組織についてのご報告があるのですが……。この辺りはその、私の上司がいるのであまり見られたくてなくてですね」
『あ、いや、構わないですけど、組織って?』
「公安が密かに追っているあの組織のことですよ」
そう言われて黒の組織の事であることは察したが、それ私に言ってもいい内容なの?
少し眉をひそめた私に風見さんが一つのUSBを手渡す。
え、いいの?極秘とかそう言うやつなんじゃ?
てかなに上司にバレちゃいけないくらい極秘で手伝ってるの?
なんて思ってるのが少し伝わったのか、風見さんが続きを話し始めた。
「八神夫婦の件以来、Aさんには何度か公安の仕事を手伝ってもらってますが……本来は未成年を協力者としてでも巻き込むのは好ましくないことですからね」
衝撃の真実。
え、何?私公安の手伝いしてるの?
只のどこにでも居る高校生なのに。
と思ったけど、話を聞くに親が過去に公安がらみで何かあって、そのつてで手伝ってるって感じなんだろう。
なんか私も考えが冷静になったなーとは思ったけど、そう言うところから来てるのかな。
にしても公安と関わりある私の親何者なの…。
只の広告代理店で働く母とサラリーマンの父だったはずなんだけど。
『そう言えば風見さん、私の親、何処に言ったか知りませんか?今朝から見当たらなくって』
関わりのある風見さんなら知ってるに違いない。
そう思って言葉を発すると、風見さんはハッと驚いた顔をして、直ぐに目を伏せる。
「覚えて、無いんですか?」
その一言で一気に背筋が凍るのが分かった。
この先を聞いてはいけない。
脳がそう警笛を鳴らしている、でも。
『いえ、ちょっとした冗談ですよ』
「そういう冗談は、良くないかと」
真顔のまま、そう言い放つ風見さん。
なるほど、親の話は不謹慎なのか。
不謹慎ってことは、もう、そういうことだよな。
『あれから、どれくらいになるんですかね』
いつもの自分からは想像もできないほど低いトーンの声が出る。
しばらくの静寂のあと、悲しそうな表情の風見さんは口を開いた。
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白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
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