似た者同士 1 ページ29
菖蒲side
コルンはスタウトを呼び出してロンドンへ、
キャンティはアクアビットの居るトロントへ、
ジンとウォッカは逃げたリースリングを追ってベルリンへと飛んだ。
じゃあ僕は?
「ほんと、ジンってヤな奴ですよね。よりによっても僕が君の担当だなんて」
「言っている意味が分かりませんね、何の話ですか?」
開きっぱなしだったRX-7の扉を閉め、警戒した瞳で僕を見つめる。
表情は取り繕った笑顔だが、その濁った蒼眼は確かに僕を睨み付けていた。
出来ることなら今すぐ帰りたいけど、まぁここで帰ったら彼が危険なのは間違いない。
「君ほどの存在が分からないわけがないと思いません?これでも僕は君を信頼してるんですよ、バーボン」
NOCリストを見られたときから、覚悟はしてたのだろう。彼の表情は何一つ崩れない。
怖くは、ないのだろうか。
僕だったらこんなの嫌だけどね。
「さっきから何を言ってるのか分からないのですが?」
ベルモットの時と違って高圧的だなコイツ。
映画じゃもっと困ってただろ。
子供だから舐めてるって訳じゃないだろうけど、なーんか腹立つなぁ。
「ここじゃ君も困らない?場所を変えましょうよバーボン。僕だって手荒な真似はしたくないんで」
生憎、銃は使いたくない主義だから腰に手を当てたままそう脅しをかける。
バーボンなら逃げるリスクも理解してるだろうし、ね。
「そうですか、それが組織の命令とあれば仕方ありませんね。……行きましょう、ランビック」
そう言ってRX-7に乗り込んだバーボン。
なるほど、僕の車に乗る気は無い、と。
別にいいんだどさ、それ凄く怪しい行動だよ。
なんて言えるわけもなく、はぁ、とため息をついて彼の車の助手席へと体を運んだ。
静かになった車で静かに目的地を告げると、彼は何も言うことなく車を走らせた。
「ひとつ、聞かせてください」
沈黙を遮るように彼が口を開く。
何を聞く気なのかなんて聞いても無駄だろうけど、聞いておくに越したこともないか、と自問自答して続きを促す。
「貴方が連れてきた、いや貴方を連れてきたあの少年は"黒"ですか?」
「……気にしてるとこ残念だけど、Aは正真正銘の"白"。てか、今は自分の心配をした方がいいのでは?」
ずいぶんと直球に聞いてくるもんだから少し引いたが、特に隠すようなことでもないし素のまま答える。
これで降谷零にとって、Aが守るべき人間側に入ってくれると嬉しいんだけどね。
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白菜(プロフ) - まいさん» もったいないお言葉感謝いたします…!更新の目処がたちましたのでまた徐々に更新していく所存でございます!まだ少しの興味がありましたら見ていただけると幸いです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 世恋さん» ひぇ、更新してなくて誠に申し訳ない限りです。また更新再開していく予定ですのでのんびりお待ちしていただけると嬉しいです! (2019年12月31日 3時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
まい(プロフ) - とても面白くて続きが気になります。また更新されるのを楽しみに待ってます(^^) (2019年8月4日 23時) (レス) id: a6e5e5f5e4 (このIDを非表示/違反報告)
世恋(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月21日 10時) (レス) id: 2be61dc08d (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 杏さん» 閲覧有難うございます!文才なんて本当に無いんですが、皆さんにも出来るだけ雰囲気が伝えられるように頑張って書いていますので誉めてもらえて本当に嬉しいです!あむぬいばかりが転売されてる現状がとても悲しいですね… これからもこの作品を宜しくお願い致します! (2018年6月17日 23時) (レス) id: 3f17e2e286 (このIDを非表示/違反報告)
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