少女と思い出 ページ42
稔 side
夢を見た。
あの頃の夢。
笑ってた。
あの人は、笑ってた。
なにを見て笑ってるの？
私にも見せて。
……ねぇ、なんで。
離れないでよ。
「＿＿＿＿＿＿」
撫でないでよ、分からないよ。
やめて、やめないで。
傍に、もっと。
＊＊＊
目を開けると、天井があった。
当たり前か。
何日、経ったかな？
首を動かすと、ベッドの隣に安吾さんが居た。
図嚢に、荷物を詰めている。
「出かけるか、安吾さ……？」
声をかけると、大袈裟に肩を跳ね上げた。
面白い。
彼は振り返って、ゆっくりと笑った。
「東京に出張で」
その台詞に、私の身体は硬直した。
１年。
経ってしまったのだ。
崩壊が始まる。
行かないと。
計画はまだ、途中で……。
ベッドを降りようとすると、安吾さんに止められる。
「動いてはいけません。まだ原因が＿＿」
「姉ちゃん。原因、その人。もうおらん。何処にもおらん。じゃけ黙って。もう二週間も無い。急がんと、全部無駄に……」
携帯電話がなった。
電子音が切羽詰まって唄う。
バイブレーションが忙しく踊る。
電話を取ると、シンイチで。
《久しいね、調子は？ 分かってるよ、"コレ"は動き出した。好きにすると善い。Eveでも何でもない世界だ、完全に違う世界なんだ。急げ》
「なんでやろな、シンイチ。全然緊張せぇへんのんよ。叫びたいのに、のたうちまわりたいんに、できひん。急ぐよ、当たり前や」
電話の向こうで、安心する気配。
同時に固い声が返ってきた。
《クフィアムに見付かるなよ》
電話はそこで切れた。
誰や、クフィアム。
安吾さんは行ってしもうた。
もう、誰にも止められへん。
．
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新マカロニ(プロフ) - みみ@こたぬきさん» はいー！ありがとうございます！お褒めいただき光栄です！みみ＠こたぬきさんに幸あれ！！ (2018年12月22日 13時) (
レス) id: 803b2655e5 (このIDを非表示/違反報告)
みみ@こたぬき - おもろ!!どしてこんな文才あるん??まじ羨ましいわー!!更新頑張ってな。楽しみにしとる〜 (2018年12月22日 13時) (レス) id: 3a7b075e71 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅＠そらなー - 新マカロニさん» おｋ、おｋ！みたぜ！ (2018年11月3日 20時) (レス) id: 376d1601f9 (このIDを非表示/違反報告)
新マカロニ(プロフ) - 桜餅＠そらなーさん» 落ち着け餅よ。そして合作を本始動するぞい。詳しいことは更新した「神ミス重」にどぞ (2018年11月3日 14時) (レス) id: 803b2655e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅＠そらなー - そらるさんとまふちゃんの最後がすこ。まふって、ああああああ(( (2018年10月13日 15時) (レス) id: 376d1601f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新マカロニ | 作成日時：2018年7月24日 16時
