少女と視察 ページ31
No side
「失礼するぜ、姫」
云和麗の執務室に、立原が足を踏み入れる。
先日の負傷事件から数日。
半ば強制的に退院した云和麗は、変わらずワーカーホリック人生を謳歌していた。
「あぁ、たっちー。どした？」
書類の山から顔を上げ、云和麗は立原を見る。
立原は数秒黙った。
キラキラと屈託なく輝く云和麗の瞳に、僅かに気圧されたのだ。
そして、尊敬の念も抱いた。
どれだけ怪我をしようが、どれだけ傷つこうが、けしてそれを顔に出さない云和麗。
「尾崎幹部から新たな任務だ。内容は、ポートマフィアが買収しようと考えている旅館の視察。相手側に感づかれないよう、俺と姫だけの極秘任務だ」
なんとか言葉を搾り出し、立原は書類を軽く振った。
パサパサと乾いた音を立てる書類と、ツンとそっぽを向く立原の顔を、云和麗は交互に見比べた。
そして慎重に言葉を紡ぎ出す。
「それ、旅行やね？」
またもや数秒の沈黙。
立原は感情の消えた瞳で云和麗の赤い瞳を見つめ返した。
云和麗も負けじと見つめ返す。
「……視察だ」
立原が口を開いた。
その声音には、一切の感情が含まれて居なかった。
しかし、触れないでくれという願いも感じられた。
云和麗は黙った。
立原は云い難そうに言葉を重ねる。
「部屋は一部屋。檜の露天風呂付き。その他尾崎幹部が独断でつけたオプションが諸々」
「姐さんは俺達を新婚かなんかと勘違いしとんか？」
云和麗、退院後１番のツッコミだった。
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新マカロニ(プロフ) - みみ@こたぬきさん» はいー！ありがとうございます！お褒めいただき光栄です！みみ＠こたぬきさんに幸あれ！！ (2018年12月22日 13時) (
レス) id: 803b2655e5 (このIDを非表示/違反報告)
みみ@こたぬき - おもろ!!どしてこんな文才あるん??まじ羨ましいわー!!更新頑張ってな。楽しみにしとる〜 (2018年12月22日 13時) (レス) id: 3a7b075e71 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅＠そらなー - 新マカロニさん» おｋ、おｋ！みたぜ！ (2018年11月3日 20時) (レス) id: 376d1601f9 (このIDを非表示/違反報告)
新マカロニ(プロフ) - 桜餅＠そらなーさん» 落ち着け餅よ。そして合作を本始動するぞい。詳しいことは更新した「神ミス重」にどぞ (2018年11月3日 14時) (レス) id: 803b2655e5 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅＠そらなー - そらるさんとまふちゃんの最後がすこ。まふって、ああああああ(( (2018年10月13日 15時) (レス) id: 376d1601f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新マカロニ | 作成日時：2018年7月24日 16時
