story28 ページ30
私がホカホカの肉まんを頬張っていると、
烏養「…なぁ…」
なんだか歯切れの悪いけいさんの言葉が耳に入ってきた。
私はくるりと後ろを向いてけいさんのほうを向くと頭にハテナを浮かべた。
『けいさん？』
…なにか真剣な話なのかさっきのほんわかした空気とは打って変わって少しヒヤリとした張り詰めたような空気だった。
そんな私とけいさんの沈黙を破ったのは聞きなれた声だった。
「菅原さん！今回は俺、自動的スタメンですけど次はちゃんと実力でレギュラーとります!!」
『…？影山くん？』
店の前で話しているのだろうかその大きな声は中にいる私までハッキリと届いた。
烏養「…なんだぁ？まぁたバレー部の奴らか？」
私は椅子から立ち上がるけいさんに向けてそっと自分の口に人差し指を置いてしーっ、というポーズをとった。
影山「…俺、負けません！」
菅原「…うん。俺も負けない」
二人の一連の会話を故意にではないとはいえ、盗み聞きしてしまったのは少し罪悪感もあるが、二人とも同じ烏野高校バレー部のセッターとしていがみ合いや部の中で嫌な空気にならなさそうで安心した。
安心してホッと頬を緩めて私だったが、さっきのけいさんの話を思い出して今度は私から聞くことにした。
『けいさん、さっきの話って…』
私が首を傾げると、けいさんは少し肩を揺らしたあと、決意したようにもう1度真っ直ぐ私の目を見ると言った…。
烏養「…A、もう、バレーをやる気はないのか…？」
けいさんの言葉が耳に入った途端体が凍ったように固まってしまうんじゃないかと思った。
なんとなく、予想はしていたものだから…、けど、それでもハッキリと音にされた言葉は私の胸に深く突き刺さった。
『…けいさん。…それは、わたし、は…もちろん、もう1度バレーが…』
”やりたい”
その四文字は口にするには重すぎて喉の奥から出すことが出来なかった。
私は無意識のうちに左腕の肘あたりを片手で掴んだ。
そんな私の様子を見てか、けいさんは言う。
烏養「悪い。無神経なことを、聞いちまったかもしれない。それでもお前が望むなら俺はまたお前にバレーをして欲しい」
私は珍しく体に感じる緊張感、止まらない冷や汗に少し、いやかなり戸惑ってしまっていた。
烏養「怪我はもう、治っているんだろ？」
私はその言葉に素直に頷くことが出来なかった…。
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名無し74604号(プロフ) - 終わりになっとるんですけど、この話はまだ終わりとちゃいますよね？？もしそうなんやったら更新楽しみにしてます！！ (2020年12月21日 16時) (
レス) id: 9040d6f9a2 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 緑川詩織さん» 嬉しいです！コメントとっても励みになります(>_<)更新頑張ります♪ (2017年11月1日 18時) (レス) id: c712f6a0e8 (このIDを非表示/違反報告)
緑川詩織 - ソラさんの作品いつも見てます！これからも更新頑張って下さい！o(･ω･´o)(o｀･ω･)o (2017年11月1日 14時) (レス) id: d308f73366 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - ほろろさん» 感想ありがとうございます♪スガさんカッコイイですよね！これからもできるだけ絡ませていきますね♪ (2017年10月22日 12時) (レス) id: c712f6a0e8 (このIDを非表示/違反報告)
ほろろ(プロフ) - ソラさん» ストーリー12を読んで私が思ったこと（今さら）。菅さん！！妹じゃなくて貴方の彼女になりたい！！ (2017年10月22日 10時) (レス) id: 61132168c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル | 作成日時：2017年10月7日 15時
