流れ星 ページ6
──やはりここだったか!
予想通り、カービィは落下地点にいた。そして、予想に反してそこで寝ていた。
……どういう状況だこれは。
見失ったカービィをほとんど勘で追いかけること、数分。
森から出てすぐそこ。開けた草原には、今は巨大な穴が口を開けていた。深くえぐられ、めくれあがった地表が衝撃の大きさを物語っている。
その中心に、ふたり。仲良く頭をそろえてすやすやと眠っているのだった。
わけのわからない状況に頭痛を覚えるが、ここは迅速に行動すべきところだろう。誰よりも先手を打った者が有利になる。定石だ。
何はさておき、穴の中心部へ近寄ってみる。
カービィは本能に振り回されて、つかれたのだろう、深い眠りについているようだ。
それから、彼に添い寝されている──言い方は悪いが──先程の光の正体であろう落下物。
見た目はフームと同じくらいの年のころだろうか。ふにゃふにゃと口元を緩ませて、幸せそうに眠っている。彼女は土ぼこりで多少くすんだ、しかしそれでもなお美しい輝きを放つ金髪をもっていた。外傷は見当たらない。
周りの凄惨な光景と傷ひとつない少女の対比は異質だった。
ゆっくりと肩を上下させる彼女たちを眺めながら、考える。
やはり彼女は私たちと同じく戦士なのだろうか、と。
私が夜の散歩をしていたのも、カービィが星を見上げていたのも、彼女がここへ降ってきたのも、すべては我々の運命が引き合った故のことなのかもしれない。もっともっと遡って、私がこの国に潜伏していることも、カービィがここへ落ちてきたことも。もしかしたら。
今夜の一連の流れは、以前から私が感じていた引力の存在を、より一層確信させるような出来事であった。
……。
平和な星で幸せにまどろむ彼女らを眺めながら、それでも私は戦いのことを考える。
この光景が悪夢に塗り潰されるまえに、私たちは。
終わり←カービィサイド 待ち人
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文字書き志望@天泣(プロフ) - 狼月さん» ありがとうございます!ひええ、大変長らくお待たせしてしまったようですね……!!死んだ亀更新ですが、何度もたたき起こしてがんばらせます!!! (2018年2月15日 21時) (レス) id: 66ac04e977 (このIDを非表示/違反報告)
文字書き志望@天泣(プロフ) - プリン★スポ隊副隊長兼信者兼かぁびぃ(駄作者)愛し隊さん» ありがとうございます!感想をいただけてとてもうれしいです。そうですね、星のカービィのお話はあまり拝見できる機会がありませんよね。!Σ(・□・ ) (2018年2月15日 20時) (レス) id: 66ac04e977 (このIDを非表示/違反報告)
プリン★スポ隊副隊長兼信者兼かぁびぃ(駄作者)愛し隊 - 星のカービィの作品は初めて見ました!!(キラキラ (2018年2月10日 23時) (レス) id: 4588ab3ba5 (このIDを非表示/違反報告)
狼月 - 更新頑張って下さい!とても面白いのでまってます♪ (2016年8月30日 15時) (レス) id: ec426a7a8d (このIDを非表示/違反報告)
ゆりな - マホロアとメタナイトはボクの嫁と旦那!!!!さん» ありがとうございます!そしてあけましておめでとうございます!ただ、タブレットぶっ壊れて修理に出すので更新できるかはお約束出来かねます。(●´ω`●) (2016年1月1日 2時) (レス) id: 883b99c4fa (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2015年8月27日 15時