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師弟 ページ16

「阿国さん」

朝焼けが木々から溢れるように周囲を明るく灯し始める
首だけの鬼が日光に当たった途端、燃えて消え去ったのを見届けた炭治郎が斧を木から引き抜くAへ声をかけた

当人は普段と変わらず笑んでいるが、その整った眉は八の字に下がっている

『やぁ、炭治郎はん。さっきはかんにんな。置いていってもうて』

「いえ、俺がついていけなかっただけなので……それであの人は?」

『彼のお人が鱗滝左近次はんどす。冨岡はんが言ってはった』

未だ埋葬した人々へ黙祷を捧げる鱗滝が二人の会話を聞いてか顔を上げる

「義勇の紹介はお前で間違いないな」

「は、はい。竈門炭治郎といいます、妹は禰豆子で…」

「炭治郎。妹が人を喰った時、お前はどうする」

突如問いかけられた問に炭治郎が固まった
間髪いれず答えられない彼に鱗滝はすかさず頬へと平手打ちを食らわす

即座に答えない判断の遅さを、甘さを、覚悟のなさを鱗滝は叱った
当然だ。それら全てがこれからの命取りにもなるかもしれないのだから

「妹が人を喰った時、やることは二つ。妹を殺す、お前は腹を切って死ぬ
鬼を連れて行くというのはそういうことだ」

それほど鬼と共に生かることには大きな責任が伴う
齢二十にも満たない少年が背負うにはあまりにも重たい責任である。それでもAは炭治郎ならばどうにかなってしまいそうな気がした

妹が罪無き人を喰うなどあってはならぬ、だからこそそのような事態にならぬようこうしてAは付き添ってきた

しかし、Aがずっと炭治郎の側にいられるかと言われれば無理な話だ
鱗滝という師範を得た今なら彼に任せても問題ないだろう

「お前はこれからどうする」

『鴉が戻ってくるまではあんさんの所でお世話になろかな……ええどす?』

「好きにするといい」

一先ず佐霧山の麓に位置する鱗滝の家屋へ向かう事になったが、禰豆子の入った篭を背負う炭治郎は到着磨るこ頃には息も絶え絶えだ

これから鬼殺隊として見極めるための試練が待っているというのに大丈夫だろうかとAは家屋を出ていった鱗滝と炭治郎の背中を眺めながら考えていた

加護→←記憶に触れる



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蜜柑(プロフ) - あいうえおさん» 誤字指摘ありがとうございます…まさか主人公である彼の名前を間違えるとは申し訳ありません…… (2019年6月24日 23時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - すいません。「炭次郎」じゃなくて「炭治郎」ですよ。 (2019年6月24日 22時) (レス) id: d4ea0d195c (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - やよいさん» コメントありがとうございます…!やよいさんの作品も閲覧させていただいているので作者様からそう言ってもらえて嬉しいです! (2019年5月20日 17時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - はあ、、もう面白すぎです。。文才神がかってます。。大好きです。 (2019年5月20日 0時) (レス) id: 7302d83944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑 | 作成日時:2019年5月6日 10時

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