絶望に終止符を ページ9
孤児院の中から現れた男性に顔を見られたくないのか慌てて逃げるように歩を進めるリンタロウに私はついその手を引き止めた
「ん?その人たちは誰だい?」
「先生!この人たちはさっき僕が困ってるときに助けてくれた人たちだよ♪」
「そうか…」
不審者かと疑われていた視線は無くなっていて先生と呼ばれた男性は穏やかな色を灯して私たちを見つめる
「すみません…カナタがお世話になりました」
『い、いえ…そんな』
「………」
『…リンタロウ、お礼されてるんだからせめて顔くらいは向けようよ…』
一向に男性の方を見向きもしない彼に何か事情があるにせよその態度はどうなのかと小突くと男性が目を見開く
「リンタロウ……?もしかして君は、リンタロウなのかい!?」
男性が驚いた姿を変えずに彼に近づくとリンタロウは恐る恐る振り返り漸く体を男性に向けた
「ど、どうしてここにいるんだ!」
「……」
返事のない彼に男性もあり得ないと驚愕したまま確かめるように問う
君は森リンタロウか、と。
「…………はい」
「やっぱりそうか!何してたんだ!無事だったのか!?その子は君の友達かい!?」
『あ、あの……リンタロウが困ってます』
矢継ぎ早に続く質問に答える隙も与えない男性に彼が何も返せないでいるのをみて助け舟を咄嗟に出した
「そ、そうだね……君の言う通りいっぺんに色んなことを聞いては答えられないな…」
男性も一度落ち着こうと口をつぐみ暫く沈黙が流れる
リンタロウは男性を見ることもなく下を向いて黙っている
(この二人は知りあい…なんだろうけど……どうしてリンタロウは再会を喜んでないんだろう)
多分、親代わりに面倒を見てくれていたのか…だとしても建物にあった二人の日記らしきものにこの人らしい人は特筆されていなかった気がするけど……
などと考えていると男性は優しくリンタロウを抱き締めた
「おかえりリンタロウ君。元気にしていたかい?」
抱き締められたことも分からないのか呆然とした表情のままリンタロウは口を開く
「ごめんなさい……」
「どうして謝るんだい?」
まるで父親のように慈愛に満ちた優しい笑顔がそこにあった
やっぱりリンタロウにとってもこの人にとっても彼らは家族同然の仲なのだろう
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うか - 本当に好きです!!個人的にはリンタロウ生きててくれ!!という気持ちですが蜜柑さんがどのように書くのか楽しみです。更新楽しみに待っています (8月25日 14時) (
レス) id: 93b7f457cb (このIDを非表示/違反報告)
Ono(プロフ) - すごく面白かったです！ 続きが気になります 更新ができるようでしたらして欲しいです！ 本当に主様は神です！ (2022年6月26日 4時) (レス) @page20 id: cd10da9391 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！もしもまだ続編があるのであれば、続きを楽しみに待ってます！(*´ω｀*) (2022年6月13日 10時) (レス) @page20 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
悲消歌(プロフ) - 初めまして、前作から一気に読ませて頂きました…！！普段コメントすることも無いので上手く伝えられないのですがこの作品とても好きです。叶うなら続きが読みたいです…最新気長にお待ちしております (2020年12月24日 3時) (レス) id: 70e5690f9f (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 麗紅花さん» はじめまして麗紅花さん。ワクワクとドキドキを提供できて何よりです！随分前に筆を折ってしまった当作品にコメントしていただいたこと、嬉しく思います。これからも少しずつ続きを書いて頂けたらと思います。 (2020年8月22日 22時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜜柑 | 作成日時：2018年8月4日 13時
