検索窓
今日:7 hit、昨日:14 hit、合計:167,408 hit

終わりのた ページ25

蔑むわけでもなく、哀れむわけでもなくコウはまっすぐ彼に対して言葉を紡いでいく


「きっと被害者であるお前たちは、色々な苦しい思いをしたんだろう…そして今回の復讐を計画した」


「何が言いたいんだ…お前は…」


顔を歪めるリンタロウは今にもコウに食ってかかりそうだ

それも厭わずコウは止めない


「自分の復讐を果すためなら、人を殺せる。矛盾しているんじゃないか?」


その言い分に心当たりがあった

彼らの計画を知ったとき、私自身が第一に思った考えだ


「身勝手な奴らに復讐するつもりだったんだろ?お前はその身勝手な奴らと何が違う?」

「はあ…?」


地を這うような声に肩は勝手に跳ね上がる

私のそんな反応に目もくれずリンタロウがコウを睨み付ける


「お前に何がわかるって言うんだよ…。僕たちが、どれだけ苦しい思いをしたか知ってるのか?」


「そんなこと、わかるわけないだろう。でもな、勘違いするなよ…
お前だけが、辛い経験をしてきたわけじゃない…」


彼の口調はまるで自分も何か過去に辛い思いをしたと言っているようだ

コウもまた、何かの被害者なんだろうか


「何言っちゃってんの?お前…?
何僕に説教たれてんだよ…」


絶望に染まった表情でふらふらと後ろに後退して目の前の彼はぽつり呟く


「お前はダメだ…」


(え……)


耳に入った声に耳を疑う
何がダメなのかなんて薄々わかってる


「今からここで処刑しまーす♪」


狂気に染まった笑顔にもう、どうしようもないんだと理解した

やっぱり言葉で説得するなんて無理なんだ


「それで良いのか…?」


銃口を向けたリンタロウに対してコウは冷静に告げる


「Aの救いたいという想いを踏み躙ってまでお前は人を殺すのか?」


「……っ、」


「それに、お前こそ気づいているんじゃないのか?こんなことしていても、何も意味がないということに」


痛いところを的確に突くもんだ
本当はリンタロウも分かっているはずなのに

(認めたくないよね…そりゃ)


「それ以上知った口を聞くな!お前に僕の何がわかるっていうんだ!」

「ふん…そのとおりだよ…リンタロウ…。その言葉、そのままお前に返すよ…
お前に俺のなにがわかるんだ?」


完全に今のコウの一言でこの場は修羅場となって殺伐となった
銃口を向けられている時点で穏便には済まないか…

終わりのた→←終わりのた



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (184 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
465人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

橋本アリィちゃん(プロフ) - 初コメ失礼します!とても面白かったです!今後とも応援しています!頑張って下さい!(*´ω`*) (2022年6月13日 10時) (レス) @page46 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
紅茶 - 面白かったです!蜜柑さんの作品が1番好きです!これからも頑張ってください! (2020年3月10日 20時) (レス) id: 203f8de236 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - カルビさん» コメントありがとうございます〜!こ、コツですか……具体的にどのようなコツでしょうか? (2020年2月4日 22時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)
カルビ - お話読みましたが凄いです。なにかコツとかあれば教えてください、 (2020年1月30日 14時) (レス) id: 9d5eab3caf (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - 涼花凛娘さん» ありがとうございます!金曜日か土曜日あたりに作成できたらいいなと思っているので良かったら是非…! (2018年7月4日 22時) (レス) id: f7e2178304 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蜜柑 | 作成日時:2018年4月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。